2019 Fiscal Year Research-status Report
ポピュリズム政党の総合的分析ー政策・党構造・支持層の国際比較
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18K01430
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Research Institution | Miyazaki Sangyo-keiei University |
Principal Investigator |
福島 都茂子 宮崎産業経営大学, 法学部, 教授 (00511982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 克彦 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10378515)
近藤 正基 京都大学, 法学研究科, 教授 (80511998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 比較政治 / 政党分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度(令和元年度)は、各自が担当する各国のポピュリズム政党に関する研究を順次進めていった。9月に愛媛で研究会を開催し、各自の進捗状況と今後の研究計画を確認した。 研究代表者である福島は少し体調を崩したため、予定していたフランス渡航は取りやめ、これまでに収集したフランスの極右政党「国民連合」(旧国民戦線)に関する文献や資料(日本語、フランス語、英語)を読み進め、研究分析を進めた。その成果の一部をフランス教育学会で報告し、また共著『人口政策の比較史』所収論文で公表した。 研究分担者である梶原は、9月と3月にイギリスとオーストリアに行き、それぞれイギリスにおける移民と右翼ポピュリズム政党と、オーストリアにおける移民と右翼ポピュリズム政党に関する資料・文献調査を行った。その成果の一部を、共著『教養としてのヨーロッパ政治』所収論文「第6章 オーストリア」として刊行した。また、東欧史研究会シンポジウム「越境する人々の東欧史─ポスト社会主義をふりかえる」で「東欧の体制転換とオーストリア」と題する報告を行った。 研究分担者の近藤は、『大統領制化の比較政治学』所収論文において、既成政党とポピュリズムとの対抗関係を含めてドイツの大統領制化について検討した。また、『教養としてのヨーロッパ政治』所収論文では、近年のドイツ政治の動向として右翼ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢」をとりあげ、それが排外主義的な性格を持つと同時に、シュレーダー~メルケル政権のもとで起こった大規模な政策転換(旧来型福祉政策の縮減、多様な家族形態の承認、脱原発、移民の社会統合推進、難民受け入れ強化)すべてに反対する「抵抗政党」的性格を持つことを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および分担者が順次研究を進めており、一定の成果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は最終年度に当たるため、オンライン研究会も含め研究会を数度開催し、これまでに蓄積した各自の研究成果を確認し、それらを踏まえた上で、最終目標である各国のポピュリズム政党の比較分析を進める予定である。また、各自が進めている研究成果も順次公表していく予定である。 ただし、令和2年度は新型コロナウィルスの影響により、各自が予定していたヨーロッパ渡航ができない可能性が高く、研究対象国における文献・資料収集や党関係者へのインタビュー等ができなくなる事態が考えられる。その場合、これまでに収集した文献や資料のほか、可能な限りネットによる収集やオンライン形式のインタビュー等で対応することを検討している。
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Causes of Carryover |
研究代表者の福島が体調不良のため渡仏しなかったため、また研究分担者の梶原は別経費で渡欧したため、旅費が当初計画より余る状況となった。令和2年度に費消する予定であるが、新型コロナウィルスの影響で渡欧が可能かどうか不明のため、その場合は物品購入(文献・資料購入費など)に充当することを検討している。
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Research Products
(5 results)