2020 Fiscal Year Research-status Report
Comparative study on the conditions for effective Evidence-Based Policy Making
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18K01442
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
藤田 由紀子 学習院大学, 法学部, 教授 (00338584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 融 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00242066)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EBPM / エビデンス / 政策形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、EBPM(エビデンスに基づく政策形成)の実効性を高めるための諸条件について比較研究を行うことを目的としている。令和元年度は、EBPMの普及が進展している英国において、EBPMの実効性を担保する条件に関する調査を行った。令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大のために現地調査を行うことができなかったため、理論的検討を中心とした文献調査を進めることとした。特に、EBPMに代表されるような「合理的」な政策決定を可能とする条件は何かという問題を検討した。 これまでの研究により得られた知見のうち主なものは以下のとおりである。第1に、政策決定を理解するためには、利益・アイディア・制度という3つの要因に着目することが重要であるが、それは本研究においても有効である。第2に、合理的な政策決定を実現するためには、科学的に頑健な政策アイディアを生成した上で、それを政策過程に入力することが必要である。第3に、合理的な政策アイディアの生成・実現のためには、次のような制度が重要である。(1)政策分析の専門家を柔軟に登用できる公務員人事制度、(2)新たな政策アイディアの導入による政策革新を可能とする集権的な意思決定構造、(3)アイディアの妥当性を担保する制度、すなわち政府外の専門家による熟議を可能とする開放的な意思決定構造、などである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度においては、新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、本研究課題の進捗も大きな影響を受けた。当該年度中に計画していたイギリス及びアメリカ合衆国への現地調査は実施できなかった。また、大学の授業のオンライン化への対応などのために多くの時間が費やされ、本研究課題にかけるエフォートが予定より少なくなった。その結果、研究の進捗は「やや遅れている」状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には前年度における研究課題の進捗の遅れを取り戻したいと考えるが、現地調査の実施の可否が未だ不透明な状況であるため、コロナ禍が収束した場合は現地調査を行うこととし、収束しなかった場合は文献調査を行う。主に、英国における分析専門職の役割について詳細な調査を行う予定である。また、米国の事例についても、可能な限り調査を行っていく。その上で、日本との比較を通じ、日本においてEBPMを実効的なものにするための条件について明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大のため、計画していた現地調査を実施できなかったため旅費を使用せず、また書籍購入費等も想定していたよりも少なく済んだため、残額が生じた。それらは、令和3年度の現地調査のための旅費や書籍購入費等に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)