2019 Fiscal Year Research-status Report
北朝鮮が体制永続化のために他の権威主義体制から得た教訓
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18K01443
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
礒崎 敦仁 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 准教授 (40453534)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 北朝鮮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で明らかにしようとするのは、北朝鮮が、他の権威主義体制における崩壊や変容の事実をいかに認識し、そこからいかなる教訓を得て自らの体制長期化に役立ててきたか、である。とりわけ研究開始時に想定したのは、①ソ連におけるスターリン批判と中国における林彪事件から教訓を得た「社会主義体制初の世襲」、②中国における第2次天安門事件とルーマニアにおけるチャウシェスク大統領夫妻の殺害から教訓を得た「『先軍政治』の確立」、③リビアのカダフィ体制が核開発計画を放棄したことによって体制崩壊したとの認識に基づき、核保有を体制護持の装置に据えた「『並進路線』の提示」、の3点であった。研究初年度に続き、いずれの論点についても着実に精査を進めることができた。 本研究では、新たに入手した北朝鮮資料を活用することも大きな特徴である。最高指導者の著作や『労働新聞』のような従来資料と新資料の内容を突き合わせることによって、新資料を活用することの効用とともに限界も示し得る。研究初年度に続き、新資料の精査では、新たな知見を得た部分はあるものの、その内容は従来の公開資料と論調が似通っていることも痛感した。 研究第2年度では、上記に挙げた課題のうち、①について学会発表を経て論文を公刊したほか、②についても順調に論文の執筆を進めることができた。一方、③については情勢が流動的であることも踏まえ、検証を進めつつも論文の公刊を留保している状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
学会発表を経たうえで複数の論文を提出し、一部は査読誌への掲載も確定したほか、関連分野の単著も刊行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで検証を進めてきた複数の事例を、最終年度としていかに統合的に提示するかを検討し、資料調査を重ねながら論文執筆を進める。
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Causes of Carryover |
2020年3月、新型コロナウイルスの影響により外務省から渡航に関する注意喚起が発令され、予定していた資料調査及び意見聴取ができないと判明した。国外出張の時期は状況を慎重に見極めて実施したい。
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