2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K01455
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
永田 尚三 関西大学, 社会安全学部, 教授 (40286216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 真一 常磐大学, 総合政策学部, 教授 (30326813)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国民保護 / 文民保護組織 / オールハザードアプローチ / ナショナルリスクアセスメント / 危機管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナの長期化によって、大幅に研究計画に影響が出ているものの、この4年間で海外の国民保護を含む特殊災害への対応体制の現状と課題について、か なり明らかに出来つつあり、一定の成果を挙げている。 特に、本研究では海外の危機管理システムとして一般的であるオールハザードアプローチについて、その経緯や実態が明らかになってきた。その知見は、新型コロナのようなパンデミックが今後再度発生した場合に備え、わが国がどのような危機管理体制整備を行っていくべきかという、新型コロナ後の危機管理体制構築に重要な示唆を与えるものであると考える。 従来、わが国の危機管理行政の特徴は、後追い行政で直近に発生した大きなハザードに、その後の対応体制整備が大きく偏る傾向が強い。一方、オールハザードアプローチは先取りで、全ての危機に満遍なく対応可能な危機管理体制を目指している。本研究では、その海外の詳細な実態、その体制に実効性を持たせている具体的な社会システム等に関し、今までわが国では知られて来なかった部分を大幅に明らかにしつつある。 またこの4年間で、危機管理の論文を8本書き、学会報告は3回行った。22年5月にも日本行政学会の共通論題Ⅱ<行政の臨時性>で、「危機への対応における行政の臨時性・時限性・一時性―災害時新業務の日常化という臨時性の崩壊にわが国の行政はどのように対応すべきか」というテーマで報告を行う予定である。また、学会報告以外に危機管理関係の講演を10回、各種マスコミへの出演、コメントを60回行っている。一定の研究成果を上げ、またその研究成果の社会への還元も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
covid-19で予定していた海外での文民保護体制の現地調査が出来ず、一部遅延が生じているが、国内で可能な研究調査は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ予測困難な部分があるが、海外渡航も緩和され始めているので、今年度前半に用意を進め、今年度後半に海外の現地調査を実施したい。
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Causes of Carryover |
オミクロン株の世界的流行により、予想よりも新型コロナのによる感染状況の改善が見られず、海外調査が出来なかったことが理由としては大きい。今年度は海外調査を実施し旅費として使用すると共に、入手した資料の整理、データの入力等で人件費として使用したい。
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