2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Comparative History of Civil-Military Relations after Coup d'etat: Iberian Cases
Project/Area Number |
18K01456
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
武藤 祥 関西学院大学, 法学部, 教授 (40508363)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 権威主義体制 / イベリア半島 / 政軍関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、スペイン・ポルトガルにおいて2度の史料調査を行った(2023年9月と2024年3月)。主たる調査対象は、マドリードの国立歴史史料館(AHN)と、リスボンの国立トーレ・ド・トンボ史料館(ANTT)である。特にフランコ体制との比較を前提とした、プリモ・デ・リベーラ独裁と、その下での軍・治安機関に関する史料を渉猟した。 研究期間全体を通してみると、2019年9月から2021年9月まで、マドリード・コンプルテンセ大学にて在外研究を行い、その間本研究計画に必要不可欠な史料調査を行うことができた。調査対象は、スペイン・アビラの軍総合史料館、リスボンの軍史料館である。途中、新型コロナウィルスの感染拡大のため、2020~2022年度において大幅な研究計画の遅滞があり、合計3度の研究期間の延長を余儀なくされた。 本研究計画においては、主に権威主義体制下の政軍関係、特に軍の側が権威主義体制をどのように評価しているかという点の解明に重きを置いていた。しかし、上記の軍史料館が所蔵するのは、こうしたテーマに関するやや断片的な史料であったため、その他の史料館の一次史料と二次文献の渉猟によって補う必要があった。 その他、2020年度日本比較政治学会(オンライン開催)の、「民主政治の存続と文民統制の比較政治学」という分科会において、スペイン・ポルトガルの権威主義体制における政軍関係を概観し、その上で両国における違いが、民主化後の文民統制の確率過程とその態様の違いを明らかにした。
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