2019 Fiscal Year Research-status Report
Learning How to Do Anticipatory Governance: the Case of Management Strategy Evaluation in ICCAT
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18K01459
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 敦 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (30391064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 彩子 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40466868)
眞田 康弘 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, 客員主任研究員(研究院客員准教授) (70572684)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 先見的ガバナンス / 管理戦略評価 / 要因分析 / 国際漁業資源ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年11月に開催された大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)の締約国会議の参与観察を行った。その結果、各締約国は、管理戦略評価に関する議論は進んだものの、交渉ポジションはまだあまり定まってきていないことが判明した。参与観察のなかで、水産業界は基本的に漁獲枠が大きい方を望む可能性があり、したがって、管理戦略評価の一番最初の導入も、漁獲枠が大きくなる場合を選んで戦略的に行ったほうがよいのではないか、との示唆があった。ICCATでは基本的に科学者がイニシアチブを持って管理戦略評価を開発してきており、ステークホルダーや政策担当者との対話がまだあまり進んでいないように見受けられる。政策担当者と研究代表者との対話から、政策担当者にとっての管理戦略評価の有意義な点として、政治的交渉を行わずに漁獲枠を決定することができる点が挙げられた。また、同会議ではメカジキの管理戦略評価のための初期目標に関する文書が採択されたが、基本的に前年に採択された関連文書と同様に、資源状況、過剰漁獲に対する安全性、漁獲最大化、漁獲枠の安定性の4つを軸に、初期目標を規定するものである。事務局は管理戦略評価をよりよく知るためのセミナーを開催した。その中で、みなみまぐろ保存委員会で実施されている管理戦略評価への言及があった。また、インタビューを行わなければならないアクター(新たな科学委員会議長のGary Melvin博士など)を同定することができた。併せて、関連一次資料、二次資料の読み込みを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)におけるクロマグロの管理戦略評価(MSE)を、先見的ガバナンスのケースとして扱う予定である。そのためには、MSEがICCATで採択される必要であり、それは昨年度になされる予定であった。しかし、締約国会議での交渉では、採択までには至らなかったため、進捗が遅れている。また、新型コロナ感染症も、インタビューや国際交渉の遅延の理由となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている要因は、国際交渉や新型コロナ感染症に起因するため、促進策はない。科学委員会の報告書には2020年に北ビンナガマグロとクロマグロの管理方式が採択される予定になっているため、その予定に対応して、インタビューや一次資料を読んで準備しておくことは言うまでもない。
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Causes of Carryover |
国際交渉の遅延と新型コロナ感染症により生じたものである。繰越分は次年度の国際交渉の参与観察に充当するものとする。
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