2021 Fiscal Year Research-status Report
東アジア冷戦構造の変容と北朝鮮の核開発、在沖米軍基地の性質変化の関連性について
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18K01470
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金 成浩 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (60325826)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソ連外交 / 核戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、感染症の拡大のため、予定していた海外での公文書館等での資料調査ができなかった。そのため、2021年度の科研費の支出は極力控え、次年度に研究期間を延長し、予算の多くを繰り越すこととした。しかし、科研費を直接使用しての研究ではないもの、課題に接近するための関連の実績としては以下が挙げられる。
(翻訳)金成浩訳、デヴィッド・ホロウェイ著「破滅への戦争―戦略的核戦争に関するソ連の見解(1955ー72年)」藤原帰一、向和歌奈監訳『国際共同研究 ヒロシマの時代―原爆投下が変えた世界』(岩波書店、2022年3月)
上記論文は、50年代から70年代にかけての米ソの核戦略に関する英文論文である。冷戦期の核兵器をめぐって「相互確証破壊」という概念が米ソ間で共有される中、ソ連の核戦略がどのように変化していったかについて取り扱っている。ソ連側のアーカイブを使い丹念に歴史的に研究した論文である。特に、ホロウェイは、ソ連の核政策について描き出しながら、その変化とワシントンの核政策がどのように連関していったかについて丹念に描き出している。この分野は日本では先行研究が希薄なため、ホロウェイの論文の日本語への翻訳は有意義であると思われる。当該科研費課題は主に80年代の東アジアの核問題に関連するものであるが、70年代からソ連がどのような核戦略を持っていたかについても時代的連続性のある重要なテーマであるため、科研費関連の研究実績として記載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の拡大のため、予定していた海外での公文書館等での資料調査、特に、ロシアや韓国での研究活動ができなかった。そのため、2021年度の科研費の支出は極力控え、次年度に研究期間を延長し、予算の多くを繰り越すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間が1年延長することが承認されたため、2022年度は2021年度に実施できなかった海外での資料調査を行う予定である。しかし、感染症の拡大等のため実施できない場合、国内(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター等)での資料調査に切り替える可能性もある。
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Causes of Carryover |
感染症拡大のため、研究期間の次年度への延長が認められたため、2021年度の支出は極力抑えた。2022年度の資料調査に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)