2020 Fiscal Year Research-status Report
Vatican and the International Organizations -Religion and Peace Building-
Project/Area Number |
18K01475
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松本 佐保 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (40326161)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バチカン / 国際機関 / 紛争解決 / 平和構築 / 核不拡散条約 / 核の平和利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はコロナ感染症の世界的な拡大に伴い、イタリアやバチカンへの調査やまた国際会議や学会での発表を行うことが全く出来なかった。しかしありがたいことに、オンラインでアメリカやイタリアのローマやバチカンの研究者との交流を通じて、本研究課題の研究を進めることは可能であった。また日本国内の研究会や学会も殆どがオンラインではあったが、幾つかの研究発表の機会を得ることが出来た。 これらの活動を通じて、情報を収集し、またアウトプットについても本研究課題やこれに関連する分野で業績を出すなどの機会に恵まれた。関連分野での書籍の刊行や論文の発表、またバチカンに関するプロジェクトでは、研究発表を行い、多くの制限を受けながらも工夫によって成果を出すに至った。 研究会や学会については、発表するだけでなく海外で行われているシンポジウムなどにも積極的に参加することで、ある程度最新の情報を入手することが出来た。そうした中、本研究課題のテーマであるバチカンの国際機関との関りとして非常に重要な、核兵器の不拡散条約や核兵器禁止条約、核の平和利用などについて情報や史料をオンラインの手段で入手し、国際的な紛争になり得る核兵器の問題に対してバチカンが重要な役割を果たしたことについての論文執筆の依頼を受けるに至った。アメリカのカトリック大学の研究者と協力し、オックスフォード大学出版会から来年度出版予定の論文集に、論文を掲載することが内定した。 この様に現地での調査は出来なかったものの、アウトプットの面では実際に業績を出し、また来年度に向けて着実に英語論文を出版する目途が立つなど実りの多いものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の拡大により、海外での史料収集や調査や学会発表が出来なかったため。しかしアウトプットでは、業績を出したことで、遅れをやや遅れているという状況にまでもっていくことには成功した。 来年度は感染症の収束やワクチン接種により、海外への渡航が許されれば、本研究課題に関する研究のペースを上げて、遅れを取り戻す余地が十分にあるのではないかと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はコロナ感染症の拡大のために行うことが出来なかった海外での調査や史料や海外の学会の発表などに力を入れる予定である。バチカンでは2020年3月に新しい史料が公開されたこともあり、本研究課題に直接関新しい史料も多く見れる状況にある。 ただまだオンライン化やデジタル化はされていないため、現地に赴いて史料収集を行う必要がある。そのために1年間延期申請をした予算を、海外の出張旅費として主に支出する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の拡大により海外への渡航が不可能となり、海外での史料収集などの調査を行うことが出来なくなったため。
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