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2018 Fiscal Year Research-status Report

国際選挙監視活動の機能と逆機能―何が民主主義を促進し何が民主主義を阻害するのか―

Research Project

Project/Area Number 18K01477
Research InstitutionDokkyo University

Principal Investigator

浦部 浩之  獨協大学, 国際教養学部, 教授 (30306477)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords選挙監視 / 民主主義 / 国際機構 / NGO / 欧州安保協力機構 / エルサルバドル / 米州関係 / ウクライナ
Outline of Annual Research Achievements

研究初年度となる平成30年度は、国際的な選挙監視活動の機能(成果・意義)と逆機能(マイナスの効果)を分析する枠組みを確立するうえで必要となってくる基本データの整備を中間目標に据え、これまでに代表者自身が参加した8ヵ国10回の選挙監視業務の公式・非公式の資料の追加収集・整理・データベース化を行うこと、および、民主主義支援・擁護に関する欧州と米州における地域機構の役割変化を中・長期的な視座から捉えることに力を注いだ。
具体的には、(1)に関しては、とくに1994年の国連エルサルバドル監視団(ONUSAL)選挙監視部門、および2014年の欧州安保協力機構(OSCE)ウクライナ選挙監視団に関する公開・非公開の情報(文書類)の収集と整理を行った。時代と地域が異なるこれら2つの事例を中心に作業を進めたことには、今後の事例研究やその比較研究のためのモデルの構築を試みるとの狙いもあった。なお、エルサルバドルに関する研究では、平和協力分野における日本政府の政策決定過程に詳しい専門家の協力も得て、これまでにその存在を把握できていなかった派遣団決定過程に関する外交文書を入手することができ、その内容が今後の研究に資するのみならず、インターネット普及前の時期のデータをいかに収集していくべきかについての重要な手がかりを得られた点でも意義が大きかった。2年目以降、この手法を他の事例研究にも応用し、データベースの充実につなげていきたい。
(2)に関しては、まだ研究の初期段階にあるもの、文献や一般情報の分析などにより、米州における民主主義支援の領域における協力の機軸となる国際機構・フォーラムの移ろいやすさを把握し、今後の研究上の論点整理を行うことができた(とくに南米諸国機構[UNASUR]の行ってきた選挙監視活動は、近年の同機構の活動が急速に停滞しているだけに、情報収集を急ぐべきことを認識した)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2018年度に予定していた中米諸国(エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス)、およびベネズエラにおける現地調査のための時間が、所属機関における多忙な用務などに妨げられて確保できず(なお、ベネズエラに関しては治安情勢の急速な悪化も調査断念の理由となった)、現地の関連機関からの聞き取りや資料収集を思うように進められなかった。したがって、厳しめに自己評価し、「やや遅れている」としておきたい。ただし他方で、欧州安保協力機構(OSCE)の組織したウクライナ大統領選挙監視団に外務大臣からの委嘱で参加するという予定外の貴重な機会に恵まれた(2019年3月)。本件は、予算の面では本助成金と関連をもつものではないが、2014年に続いての同国におけるOSCE選挙監視団への参加を通じ、同機構による選挙監視活動の連続性と変化を実地で体感ことはできたのは想定外の大きな成果であり、進捗の遅れを別のかたちでかなり補うことができた。この点を付記しておきたい。

Strategy for Future Research Activity

2019年度は、基本的には当初の研究計画どおりに研究を進めていく予定である。すなわち、研究対象国における選挙監視活動のデータベース化、および国連や国際機構における選挙監視に関する理念の変遷についての分析を進めていく。とくに2018年度に行うことができなかった現地調査に関しては、着実に遂行していきたい。

Causes of Carryover

研究者との交流を通じて本研究を深めることを目的に、当初、2019年3月に開催されるISA(国際関係学会)(カナダ・トロント)に出席することを計画し、そのための資金を留保していたが、急遽、それと重なる時期に実施された欧州安保協力機構(OSCE)ウクライナ大統領選挙監視団に外務省からの派遣で参加することになった。これが未使用額が生じた最大の理由である。2019年度は、この未使用分と2019年度分として交付される助成金とを合わせ、とくに現地調査をいっそう充実させるかたちで使用していきたい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 2017年チリ大統領・国会議員・州議会議員選挙―国会議員選挙制度の改革とチリ政治刷新の展望―2019

    • Author(s)
      浦部浩之
    • Journal Title

      マテシス・ウニウェルサリス

      Volume: 20(2) Pages: 1-26

  • [Journal Article] 第8回米州サミット 低調な米州関係を露呈2018

    • Author(s)
      浦部浩之
    • Journal Title

      外交

      Volume: 49 Pages: 68-69

  • [Journal Article] ハイチ・ドミニカ共和国間の外交摩擦とカリブの地域主義2018

    • Author(s)
      浦部浩之
    • Journal Title

      マテシス・ウニウェルサリス

      Volume: 20(1) Pages: 1-23

URL: 

Published: 2019-12-27  

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