2019 Fiscal Year Research-status Report
理想主義国家アイルランド共和国の国連PKOへの参加理由とそのメリット
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18K01478
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Research Institution | Kyoei University |
Principal Investigator |
石塚 勝美 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (20337653)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | peacekeeping / Ireland / United Nations / UNIFIL |
Outline of Annual Research Achievements |
この科研費において私は「理想主義国家アイルランド共和国の国連PKOへの参加理由とそのメリット」というテーマで進めてきた。2019年8月には、アイルランド部隊が駐留する国連PKO、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に現地調査を実施した。またUNIFILという国連PKOの調査の前段階として、PKOにおける市民保護(Protection of Civilian)や「保護する責任」(Responsibility to Protect)の概念についても調査をした。その結果、2本の論文を出版し、学会報告も1本行った。とりわけUNIFILにおける約1週間の現地調査においては、アイルランド隊に合流し、アイルランド隊の兵士や将校にインタビューを実施し、国家としてのアイルランドと個人におけるPKO参加の動機付けについて多くに内容や情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UNIFILでの現地調査の結果、日本国際平和構築協会主催の「東京平和構築フォーラム2019」(11月東京JICA研究所)において、”Peacebuilding and Global Governance: Theory and Practice: the case of Ireland in the United Nations Interim Force in Lebanon"を報告した。また2020年3月には共栄大学研究論集より"Ireland and UNIFIL"を出版した。またPKOにおける市民保護と「保護する責任」の現状に関しては、2020年3月埼玉学園大学紀要から"Protection of Civilian andResponsibility to Protect in UN Operations: Are the new humanitarian norms still valid for peacekeeping?"を出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
一昨年はアイルランドのダブリンに現地調査をして、昨年はアイルランド隊の駐留するレバノンに赴いた。本年度は(外国渡航が可能になれば)再びアイルランドの軍事資料館に赴き、UNIFILにおけるアイルランド隊の動向について更なる調査をする予定である。同様にアイルランドのダブリンにある国立資料館にて国会討論の議事録等を調査する予定である。6月に、国際連合に関する国際学会(Academic Council on the United Nations System: ACUNS)で論文を発表する予定である。(オンライン発表になる予定)そして国連PKOの派遣に関しては、理想国家と考えられるアイルランド共和国のPKO政策について更なる結論に導いていきたい。
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Causes of Carryover |
2019年8月に現地調査では、宿泊費が招待者(アイルランド隊)が負担したために次年度の使用額が生じた。この残金は翌年度の現地調査に使用する。
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Research Products
(3 results)