2021 Fiscal Year Research-status Report
Analyzing the Reforms of the International Monetary Fund and the World Bank - For Grobal Public Goods or National Interests?
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18K01480
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
大森 佐和 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (20419253)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際通貨基金 / 金融改革 / 金融監督庁 / 世界銀行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グローバル化の推進者であり新自由主義改革の推進者であるとみなされてきた国際通貨基金(IMF)と世界銀行(WB)が、アジア金融危機以降、特に世界金融危機以降加速させてきた改革を通じ、不透明性を増す現在の国際社会にあって、果たして主要国の国益追求を求める声の中にあっても、世界金融システムの安定や貧困削減というグローバルな公益をもたらす上での役割を果たすのに十分な変容を遂げてきたかを検討することにある。 そのために、IMFやWBが加盟国に対してどの程度グローバル化の推進者として金融自由化に実際に影響を与えてきたのか、その影響がどの程度変容したかに関し、対外的な金融改革と国内向けの金融改革をグローバルな計量分析を行うことにより比較した結果をまとめて、論文とした。国際的学術雑誌での受理を目指して、改稿中である。現在はそこでの寸評を受け改稿している。 また、研究代表者本人が科研費(科学研究費助成事業(基盤研究(C)25380202))の助成で完成させた、100か国1973年から2013年までの、クレジット規制の撤廃、銀行参入規制撤廃、銀行民営化、証券市場の発達・銀行監督強化など7分野の金融改革をコード化したIMFの「金融改革データベース」を紹介するデータベース論文の紹介の論文を仕上げた。その際に実証的な事例として、銀行での金融監督強化を高めるための政治経済学的要因に関する検討も行った。法の支配の程度、政治制度の腐敗の度合い、中央銀行の独立性といった基本的な各国の政治制度とその他資源の豊富さといった各国の特徴が、どの程度各国の銀行監督の強化に影響を与えるかを検討した。これも国際的学術雑誌での受理を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IMFやWBが加盟国に対してどの程度グローバル化の推進者として金融自由化に実際に影響を与えてきたのか、その影響がどの程度変容したかに関し、対外的な金融改革と国内向けの金融改革をグローバルな計量分析を行うことにより比較することを目的とした論文と、金融改革データベースを紹介する論文に関して、今年度中の国際学術雑誌の受理に至らず、査読者の意見をとりいれるなどして改稿を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は投稿中の二つの論文に関し、査読で返ってきたコメントを取り入れて適宜修正を行って国際学術雑誌または国内向け学術雑誌に投稿する。金融改革データべース紹介論文が受理された場合には、データベース自体と、金融改革の政策の改革があったとしてスコア化するに至った理由を示した、7次元の金融改革のコード化のもととなった、20サブ分野のすべての金融政策改革の政策変化を記したエクセル表のホームページでの公開を行う予定である。また金融改革データベース紹介論文に関しては、オープンアクセス論文としたい。
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Causes of Carryover |
引き続きのコロナ禍のために、学会の経費が生じなかったことや、論文の学術雑誌受理時にオープンアクセス用の費用の一部として使用予定であったが、受理に至らず改稿して引き続き論文投稿中の状況にあるため。2022年度受理された際に、オープンアクセス用の費用の一部として経費を用いる予定である。
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