2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing the Reforms of the International Monetary Fund and the World Bank - For Grobal Public Goods or National Interests?
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18K01480
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
大森 佐和 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20419253)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金融改革 / 金融改革データベース / 銀行規制監督 / 国際通貨基金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、IMFなどの国際金融機関がどの程度グローバル化の推進者として金融自由化に実際に影響を与えてきたのか、その影響がどの程度変容したかに関し分析を試みることにある。 最終年度である2022年度は、科研費の助成(科研費JP25380202)で完成させた、100か国の1973年から2013年までの銀行民営化・証券市場の発達・銀行監督強化など7分野の金融改革をコード化した「金融改革データベース改訂版」を紹介する論文が、国際学術雑誌であるJournal of Financial Regulationに、査読付きでオープンアクセスで掲載された。とりわけ、「金融規制監督の強化」の分野については、各国比較することが可能なように指標を改善し前回のコード化から改定したことを紹介した。また、データベースを公開用のHPを作成し、Web上で一般に公開した。 また、「金融改革データベース改訂版」から、「金融規制監督の強化」の分野を用いて、国際公益である金融の安定性をどういった政治経済学的な要因が金融規制監督の強化につながるのかについての査読付き論文がJournal of Banking Regulationという国際学術雑誌に掲載された。結果としては、各国の政治制度的な要因としては、各国の法の支配の程度が高いほど、中央銀行の独立性の程度が高いほど、金融規制監督の強化につながることを実証的に示した。また各国のIMFプログラムへの参加は統計的に有意に金融規制監督の強化につながることが示された。その一方、石油などの天然資源が豊富な国は統計的に有意に金融規制監督の強化の度合いが低いことが示された。これにより、さまざまな国益の要素を加味したうえでも、世界の金融の安定性という国際公益に関して、IMFが寄与していることが明らかとなった。
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Remarks |
個人ホームぺージはまだ構築中であるがデータの部分は構築し、公開したものである。
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Research Products
(5 results)