2021 Fiscal Year Annual Research Report
Making of International Thought in modern Japan: International Cultural Relations as "Encounter with the unknown"
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18K01481
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
芝崎 厚士 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (10345069)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 未知との出会い / 国際文化交流 / グローバル文化交流 / アントニオ・ネグリ / 柳父章 / 国際文化論 / 国際関係思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、前年度までに蓄積した「未知との出会い」に関する理論的・思想的な研究実績をもとにしたいくつかの研究実績をあげた。 本研究における思想的・方法論的蓄積は、研究代表者が行っている他の研究プロジェクトにも発展・応用されつつある。具体的には、「 国際的文化発信のなかの日本像―柳澤健の学際的研究― 」( 国際日本文化研究センター 共同研究(重点) 2021年4月 - 2022年3月、共同代表として参加)、「 近代日本における新カント派受容の歴史と意義―社会科学との交渉を中心に― 」( 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2020年4月 - 2024年3月、研究分担者として参加)、「 グローバル関係論の時間論的基礎付けのための比較理論研究 」( 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2021年4月 - 2025年3月、研究代表者として参加 )であり、それぞれのプロジェクトにおいて、研究を主宰・分担し、研究報告を行った。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、(1)「未知との出会い」という概念に関して、柳父章に関する日本翻訳通訳学会での基調講演やその後の関係者との交流を通して、その普遍性と応用可能性に関する検討を深めて、学際研究の嚮導概念としての精錬を達成したこと(2)同概念を軸にした近代日本の思想形成に関する既存の思想史・哲学史とは異なる視点からの実証的・理論的研究の基礎を作ったこと(これは上述の諸研究の進展に大きく寄与している)(3)単著、論文、学会報告、内外の研究者との対話(一部は海外の研究誌に掲載された)を通して、「国際関係」をめぐる思想とその交流について、グローバルな視座から学際的かつトランスナショナルに共同研究するための基礎を打ち立てたこと、以上3点が重要な貢献であると考えられる。
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