2020 Fiscal Year Research-status Report
China as an emerging aid donor and its impact on international aid regime
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18K01484
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
稲田 十一 専修大学, 経済学部, 教授 (50223219)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中国の援助 / 北京コンセンサス / 国際援助体制 / 一帯一路 / ミャンマー |
Outline of Annual Research Achievements |
アジアにおける中国の援助の実態を具体的に把握・収集し、その経済社会及び政治外交上のインパクトを検証・分析することが、本研究の中心テーマである。 2020年度は、COVID-19の世界的な感染の広まりによって、海外現地調査が実施できず、現地調査のために予定していた研究予算も、翌2021年度に繰り越すことになった。2020年度の研究活動としては、(1)2020年2月に実施したミャンマーの現地調査の関連情報を国内研究として更に追加収集し、(2)他の国・地域での中国の経済協力事業の事例についての関連情報・資料を収集し、(3)それらを横断的に分析して、「急拡大する中国の対外経済協力とその規範の変容可能性-ミャンマー・ミッソンダムの事例を中心に」という表題で、2020年10月の日本国際政治学会で報告するとともに、『専修大学・社会科学研究所・年報』に同様の内容の論文を掲載した(2021年3月刊行)。 また、中国の「一帯一路」政策の実態とその影響についての情報収集を、前年度に引き続き、インターネットの関連サイトや関連文献の購入などを通じて数多くの関連文献・資料を入手し整理・分析した。また、本研究テーマに関連する研究者を集めた研究会を2020年度内に合計4回開催したほか、国内及び海外の関連研究機関主催の関連セミナーへの参加を通じて、本テーマについての最近の研究調査動向を把握し、関連研究者の研究成果を確認するととも、研究ネットワークの拡大に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 2020年度は、COVID-19の世界的な感染の広まりによって、海外現地調査が実施できず、現地調査のために予定していた研究予算も翌2021年度に繰り越すことになった。 当初計画では、中国での現地調査を計画していたが、引き続き関連相手先との面談が困難であったため延期し、中国の援助や経済的プレゼンスの拡大が既存の国際援助体制の中でどのように位置づけられるか、その実態と課題は何か等についての関連情報・資料収集は、主として日本国内での文献調査・関連セミナーへの出席等により進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
中国の援助や経済的プレゼンスの拡大が既存の国際援助体制の中でどのように位置づけられるか、その実態と課題は何か等については、文献調査や関連セミナー等への出席を通じて引き続き関連情報・資料収集する。 COVID-19の世界的な感染がおさまれば、2020年度後半に、中国の経済協力のプレゼンスが顕著な開発途上国の幾つかを対象として現地調査を実施することを計画している。また、中国の研究者を含めた関連研究者との合同研究会の実施を計画しており、対面での研究会の開催が困難であれば、オンラインで研究会を実施したい。 なお、中国の一帯一路事業や経済支援が国際開発援助体制に与えるインパクトや途上国の経済社会や政治外交に与える影響・課題全般について、事例研究を含めて包括的に整理・分析した論文の公開、書籍の出版をめざして、関連原稿の執筆を進めている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主たる理由としては、新型コロナウイルの世界的な感染の広まりにより、計画していた現地調査対象である開発途上国事例国や中国での現地調査が実施できず、予定していた旅費・人件費・謝金等が支出されなかったことがあげられる。 2021年度中の実施を計画しているが、新型コロナウイルスの世界的な拡散が長期化し、2020年度に実施できるかどうか不確定であるが、可能な限り、2021年度後半に、計画していた、中国の経済協力のプレゼンスが大きな開発途上国事例国での現地調査を実施したい。また、中国の研究者を含め、関連研究者を集めてそれぞれの研究成果を持ち寄り報告・議論する合同研究会を、対面ないし(それが不可能であれば)オンラインで実施することを計画している。
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