2021 Fiscal Year Annual Research Report
How international rules develop under FTAs: theory and empirical studies
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18K01499
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
浜中 慎太郎 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター 経済統合研究グループ, 研究員 (30790018)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際経済ルール / ハーモナイゼーション / 相互承認 |
Outline of Annual Research Achievements |
各国はどのような国際経済ルールを選好するのか、というのが本研究課題の中心的問題である。研究を深めるにつれ、各国の国際経済ルール選好を左右する要因の一つとして、国内法制度の重要性が明らかになってきた。特に、法伝統により国内制度が形作られ、各国の国際制度の選好はその影響を大きく受ける可能性が高いことがわかってきた。 具体的には、技術士等の「資格制度」に着目した。各国の国内資格制度の在り方は当該国の法伝統の影響を大きく受ける。そして当該国の資格の国際協力に対する態度は、国内資格制度の特徴に大きく左右される。例えば、大陸法を採用する国は、資格付与の際に筆記試験を重視する傾向にあり、国際協力の際には筆記試験のハーモナイゼーションを行うことを選好する、という具合である。 上記の着想に基づくペーパーを執筆した。アジア諸国を対象とし、各国の技術士資格制度を法伝統との関連で調べ上げるとともに、アジアにおけるAPEC、ASEAN、ASEAN+3における技術士に関する国際協力に対して各国がとっているスタンスを調べ、関係があるのかを分析した。そして、International Political Science Reviewに研究成果を掲載できた。 法伝統・国内制度に焦点を絞って国際協力を分析することの潜在性が確認されたため、研究計画最終年度前年度応募を行った。幸運にも提案は採用されたため、今後は法伝統の観点から様々な国際経済ルール設定についての研究を深めていく予定である。
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