2021 Fiscal Year Research-status Report
Analyses on stable outcomes of multilateral matching
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18K01506
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
平井 俊行 法政大学, 経済学部, 教授 (00383951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 桂介 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (50735412)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多者間マッチング / 安定な帰結 / 可能な契約の構造 / 選好の代替性 / ゲーム理論 / 特許ライセンス / 排除可能公共財 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 本研究課題の基礎となる論文Stability and venture structures in multilateral matchingについて、最終的な改訂をおこなったうえで、国際学会The 20th Annual SAET Conferenceで報告をおこなった(分担研究者による)。本論文では4種類の安定性について考え、最低限の条件を備えた主体たちの任意の選好のもとで、それぞれの安定性を備えた帰結の存在や効率性が保証されるための可能な契約の構造(venture structure)を特徴づけている。また、そこで用いた契約の構造が昨年度までにも報告してきた共同保有特許ライセンスの問題だけでなくFIFAと大陸ごとの連盟(AFC,UEFA等)などの二重の構造を持った組織形態を含みうることなどを論じた。最終的に論文は国際専門誌Journal of Economic Theoryに受理・掲載された。 (2) (1)の研究では、選好にほとんど条件を課さなかったことから、安定性を備えた帰結の存在や効率性を保証する契約の構造は(上記のようにいくつかの例を含むとはいえ)限定的なものであった。より広範な契約の構造のもとで安定性を備えた帰結の存在や効率性を保証するために、妥当と考えられる範囲でより強い条件を選好に課したもとでの分析を昨年度から引き続きおこなった。これまでとは異なる方法での解決を試みた。 (3) 他の応用例として、情報財などを含む排除可能公共財の販売形態をどのようにすればよいかを分析するため、他の分析手法を用いている先行研究のサーベイをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度単独では想定通りの進展があったが、引き続きのコロナ禍での情報収集・交換の機会の不足や授業準備の増加などにより、昨年度までの遅れを取り戻すまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、一定の妥当と考えられる条件を主体の選好に課した場合の分析を引き続きおこなっていく。また、より具体的な問題から出発したモデル(排除可能公共財の販売形態等)についての分析も順次おこなっていくことを計画している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会がオンラインとなったため、旅費を使用しなかった。また、同様の理由で大学の個人研究費にも余剰が発生したため、研究課題関連の消耗品や書籍を個人研究費で購入することができ、その分の支出も減ってしまった。 次年度は可能であれば学会参加旅費として利用していく予定である。
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