2018 Fiscal Year Research-status Report
Effect of technical change on mismatch unemployment
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18K01512
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 英樹 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00272097)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Automation / Job Mismatch / IPU / Variance Factor / New Task Creation |
Outline of Annual Research Achievements |
個人の仕事への特性を考え、機械化のもとでのミスマッチ失業確率を考える。静学モデルにおいて、個人失業確率 (Individual Probabilities of Unemployment, IPU) の分布を描き出し、機械化の程度と分布の関係を明らかにする。機械化や新しいタスクは、労働者の適性に応じて、仕事へのマッチングに異なる影響を及ぼす。そこでは、機械化の程度は平均には影響しないが、分散を大きくすることを示す。次に、2期モデルにおいて、ミスマッチ労働者と機械化による労働者の就職活動を考える。その結果の失業率は、IPU平均とIPU分散に各々依存する平均要因と分散要因に分解できる。新しいタスクが存在する場合、機械化は労働者の配置換えを促すので失業の平均要因を押し上げるが、分散要因を下げる。よって、機械化の失業率への影響はこの2つの効果に依存する。この研究は、中村勝克氏との共同研究のもと、"Automation Reveals the Diversity in Job Mismatch Possibilities"としてまとめる。 次に、タスクの増加と労働タスクの機械化という2つの技術変化のもと、機械化の雇用への影響を調べる。労働者の特性は均一的とする。まず、経済成長率はタスクの増加と機械化の程度に依存するが、労働分配率は機械化の程度のみに依存する。そして、機械化の技術的失業率への影響は、労働所得分配率と密接に関係していることを示す。もし、労働分配率が長期的にゼロに収束しないのであれば、タスクの増加は機械化の程度を上回り、結果、機械化による技術的失業は、長期的にはゼロに収束するこを示す。この研究は、Joseph Zeira氏との共同研究のもと、"Automation and Unemployment: Help is on the Way"としてまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
"Automation Reveals the Diversity in Job Mismatch Possibilities"はjounalに投稿し現在審査中である。"Automation and Unemployment: Help is on the Way"は投稿準備中である。さらに、各々の研究において、新たな視点からの分析も進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
”Automation Reveals the Diversity in Job Mismatch Possibilities"では、労働者の仕事への特性を考える際には、当該の仕事が苦手で生産性ゼロ、または、得意でプラスの生産性かという仮定をおいた。これは、ミスマッチ失業を分析するためである。より現実的には、その仕事が苦手な場合であっても、得意な場合よりには低いがゼロではない生産性を持つとも考えられる。この仮定のもとでは、ミスマッチ失業は発生しないが、生産性の違いによる賃金格差は発生する。そこで、機械化によって、労働者間で賃金の分散がさらに拡大する可能性があることを示す。
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Research Products
(6 results)