2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K01520
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
片山 宗親 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (20718134)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不確実性ショック / 流動性 / 労働者の異質性 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、労働者の異質性を考慮した際の賃金の硬直性が金融政策に与える影響を分析した“Sticky-Wage Models and Knowledge Capital” (共著)は、いくつかの査読付き国際学術誌へ投稿したが、掲載が叶わなかった。レフリーからのコメントなどを反映し、知的資本(knowledge capital)の生産が果たす役割に、より着目する方向性で再度改訂作業を行っている。具体的には、経済全体において、知的資本の生産を担う労働者の割合は極めて小さいにも関わらず、彼らの賃金の粘着性度合いが、金融政策の有効性に影響を与えることを示している。これらの変更を反映し、早い時期における査読付き国際学術誌への投稿・掲載を予定している。
また、流動性に関する不確実性ショックがマクロ経済においてより継続的な不況を生じさせるメカニズムを考えるためのプロジェクト、“On Financial Risk, Growth, and Long-Run Risk”(共著)は、論文の完成を目指し広くコメントを得るために、各所のセミナーなどで研究報告を行った。
さらに、このプロジェクトから派生し、流動性に関する不確実性ショックが、株価などの資産価格へ与えるメカニズムを明らかにするために、新たな共著プロジェクトをスタートさせた。このプロジェクトでは、有形資産と無形資産を明示的に区別し、Epstein-Zin型の選好を導入し分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際学術誌への掲載など、当初の想定どおりに進んでいない部分もあるが、新たな研究プロジェクトもスタートさせることが出来、総合的に判断するとおおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していなかった方面での共同研究が発展的に展開しており、これらを積極的に推進するとともに、当初の研究計画に沿った形での研究を進める予定である。具体的には、流動性に関する不確実性ショックの2種類の研究結果を早い段階で論文にまとめ、学会・セミナーでのコメントやフィードバックを反映し、査読付き雑誌への投稿、掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
学会出張にかかる費用が、想定よりも少なかったため。次年度の出張経費として使用する。
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Research Products
(1 results)