2018 Fiscal Year Research-status Report
An experimental study of redistribution
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18K01523
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 悠 南山大学, 人文学部, 准教授 (10769649)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再分配実験 / 公平基準の選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
所得再分配の実験をした。 既存研究は、各人の再分配提案を(1)初期分配がどう決定されるか(各人の能力や努力に応じて決定されるのか,そうでないのかなど)と,各人に固有の公平感(能力に応じた分配と,平等な分配のどちらを公平と感じるかなど)で説明するが,本研究は,同一人が初期分配に応じて採用する公平基準を変更する可能性を認め,その検証を目指して開始された. 作業仮説は,一般的には「集団において各人が主張できる公平基準は複数あり,各人はそれらのなかで最も自分にとって有利なものを公平基準として主張する」であり,再分配実験においては「初期分配が自分に有利なときには,その分配を維持することを,そうでないときには,平等な再分配を主張する」である. これを確かめるために,2018年度には,初期分配をまったく無作為に与える再分配実験を日本および中国で実施し,初期分配が有利な被験者と不利な被験者の再分配提案を比較する実験を進めた.実験結果は作業仮説をおおむね支持するが,作業仮説に関する提案をする被験者もあり,その原因の調査の理論の精緻化を進めている(昨年度の上海での国際会議で報告). なお,この実験の副産物として,日本人被験者(大学生)と中国人被験者(大学生)の行動の相違,および,て各人の採用する公平基準の変更は,自身の再分配提案におけるより、他者の再分配提案の推測において大きいことを示唆する結果を得ている.これらについても研究を継続している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように,当初の計画に基づいて実験研究が進められ,暫定的な結果を国際会議で報告した.作業仮説がほぼ確認されるとともに,さらに精緻な分析の必要性が明らかになったことで,当初の研究計画を適切に変更して今後の研究を進める見通しが得られている.以上を総合すれば,研究はおおむね順調に推移していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って,実験研究を進める.研究期間と予算の規模を考慮して,初期分配の決定方式が異なるときの再分配などの実験をせず,初期分配がまったく偶然に決定されるときの再分配提案の実験を進める.いっぽうで,「自分を含めて集団で認められる公平基準は複数あり,各人はむきだしの利己主義ではなく,自分にとって最も有利な公平基準を「最も公平」と主張する」という本研究の基礎的仮説に関して,心理学や哲学の理論研究を調査する必要が感じられる.実験だけでなく,これについての理論研究を進めたい.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:実験室実験における被験者謝金が予想より小さかったことと,海外学会での報告が上海だったため,旅費滞在費が,欧米での報告を考慮して計算した当初計画の値を下回ったため. 使用計画:初年度の実験の結果,追加実験が必要になったので,追加実験の費用にあてる.
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Research Products
(1 results)