2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18K01527
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 努 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40281779)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ウェルビイング / 福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、次のような研究成果を得た。まず単著として、新たなウェルビイングのあり方を探る著作を刊行した(橋本努『消費ミニマリズムと脱資本主義の精神』筑摩選書2021年6月17日刊)。本書は、2010年代以降にひとつの社会現象となったミニマリズムの消費スタイルとその背後にある思想を分析することによって、次世代における新しいウェルビイングの可能性を探ったものである。合わせて現代消費社会に関する編著を刊行した(橋本努編『ロスト欲望社会』勁草書房、2021年7月1日刊)。本書は「ロスト近代」という現代社会の時代認識の下に、いわゆる消費社会とこれに対抗する実践のあり方が、どのように変化しているかを探るなかで、「下からの啓蒙」の可能性を論じている。 この他、昨年度に刊行した単著『自由原理』(岩波書店、2021年2月刊)に関するセッションを二つの学会(経済学史学会、社会思想史学会)で開催し、また今年度刊行した編著『ロスト欲望社会』に関するセッションを、経済社会学会で企画した。それぞれ、有益な議論を交わすことができた。また日仏会館・フランス国立日本研究所主催のオンライン・イベント「リベラリズムをめぐる日仏の対談:『自由原理』と『持続可能なリベラリズムの試論』」では、フランスの経済思想家であるガメル教授の近著『持続可能なリベラリズムの試論』と拙著をめぐる議論を、同時通訳を介して交わすことができた。さらに基調講演「ロスト欲望社会~エコ・ミニマリズムのすすめ」を、一般社団法人日本EVクラブ主催の「第27回日本EVフェスティバル」(2021年11月20日開催)にて行った。このように研究成果の一部を社会的に発信した。
|