2019 Fiscal Year Research-status Report
ケインズのバーク受容に関する研究:バーク解釈史とイギリス保守主義史に焦点を当てて
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18K01536
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
中澤 信彦 関西大学, 経済学部, 教授 (40309208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ケインズ / バーク / 保守主義 / 功利主義 / 美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年間の研究期間の2年目にあたる2019年度も、申請書に記した研究実施計画に基本的に沿う形で、(1)本研究課題の遂行に必要な文献を収集し読解を進めること、(2)申請前に着手していた(本研究課題にとって)予備的・副次的な研究の成果を国内外の学会・研究会で口頭発表して、良質なフィードバックを得ることによって、本研究課題の遂行を側面補強すること、以上の二点に力点を置いた。 まず(1)について。2019年度はバークを中心としたイギリス美学に関連する文献を、経済思想、保守思想、功利主義思想との関連を強く意識しながら、集中的に検討した。その成果の一部については、国内学会で4回の口頭発表を行い、多くの良質なフィードバックを得ることができた。また、書評専門紙『図書新聞』に書評を1本(招待あり、大河内昌『美学イデオロギー』)発表することができた。 次に(2)について。国際学会で1回、国内学会1回、国内研究会で2回、合計4回の口頭発表を行い、ここでも多くの良質なフィードバックを得ることができた。また、国内の専門誌に投稿した論文1本(執筆原語:英語)が査読を経て掲載が決定した。 このように、当初目標に向けて概ね順調に研究が進展している、と言ってよい状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上の「研究実績の概要」で具体的に記したように、申請書に記した研究実施計画に基本的に沿った形で研究を進めることができており、研究成果のほうも口頭発表や論文などの形で着実に生み出すことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
4年間の研究期間の3年目にあたる2020年度も、申請書に記した研究実施計画に基本的に沿う形で研究を進める。すなわち、2018・2019年度に得られたバークの哲学(美学)に関する知見をひとまず整理して、ケインズの哲学に関する先行研究との接続を試み、第一次草稿を2020年度末までに完成させることを目指す。その際、当該テーマに詳しいRod O’Donnell氏(University of Technology, Sydney)らに助言を積極的に求めることになるだろう。新たに得られた知見は、2018年度、2019年度と同様に、国内外の学会・研究会で積極的に口頭発表する予定である。
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