2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of alternative economic and social policy outcome indicators to GDP
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18K01544
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
根本 二郎 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(経済), 教授 (20180705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 美香 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50371208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | データ包絡分析 / 望ましくないアウトプット / GDPの修正指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数のインプットから複数のアウトプットを生産する生産技術モデルを利用して、望ましくないアウトプットの存在を考慮したGDPの修正指標の計測を試みている。生産活動に伴い生じる望ましくないアウトプットを明示的に導入した生産技術モデルを構築し、通常のモデルとの比較を通じてGDPの修正方法を提示する。 生産技術モデルの推定法は、データ包絡分析(DEA)を採用した。DEAで望ましくないアウトプットを扱うには種々の方法があるが、その中で包括的なモデルであるintermediate approachと、生産可能性集合の標準的な仮定であるインプットとアウトプットの弱処分可能性(weak disposability)に基づくradialモデルを用いた。47都道府県(2007年-2014年)を対象として、インプットを県内就業者数、民間粗資本ストック、エネルギー消費総計とし、アウトプットを県内総生産、望ましくないアウトプットをCO2排出量として分析を行った。その結果、CO2排出量を考慮することによる効率性の低下は北関東、沖縄で大きく、中部、中国という製造業クラスターを有する地域で相対的に小さいことが明らかとなった。 一方、弱処分可能性に基づくradialモデルによる分析では、GDPを減らすことなく削減可能なCO2排出量を計測し、それに基づいてGDPを修正してCO2排出を考慮した指標とする方法を提案した。この方法は、CO2による環境負荷に限らず、望ましくないアウトプット全般に対してもそのまま適用可能である。
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