2018 Fiscal Year Research-status Report
効用関数アプローチによる日本の公立病院の効率性分析
Project/Area Number |
18K01548
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
藤井 敦 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (00326456)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 効率性 / 確率フロンティア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の公立病院の効率性分析において、効用最大化行動を考慮した場合に求められる効率性値を、通常の確率フロンティア法によるそれと比較することである。平成30年度は、(1)事例収集、(2)先行研究整理、および(3)データ収集を行う計画であった。 (1)事例収集については、2007年以降の一連の公立病院改革を中心に、政府公表資料等を収集し、現在整理中である。(2)先行研究については、公立病院の効率性分析の研究および一般の効率性分析の手法を中心に収集を進めている。(3)データについては、近年のデータを部分的に収集し、これを用いて試験的な統計分析を行い、それによってデータの過不足を確認しながら進めることとした。 (3)の一環として行った試験的な統計分析の概要は以下の通りである。特定の行動原理を病院に仮定する先行研究のモデルを用いて、非効率性がどのような分布になるのかを統計的推測を経ずに計算することを試みた。この結果、財政支援に依存する非効率性の分布は単純な切断分布とは考えにくいことがわかった。 以上の結果を論文化して専門の国際学会(Asia-Pacific Productivity Conference 2018)にて報告した。その結果、「補助金による赤字圧縮」原理に該当しない標本も含めて効率性を評価すべき、(2)非効率性の決定因子の範囲を拡大して考察すべき、との指摘を受けた。 そのため、その他の経営原理の実例について検討することとした。他の経営原理の実例に関する調査としては、数量化困難な経営原理決定変数の効果を調べる他分野の先行研究を調査した。準実験的な状況下でその効果を調べる場合、過去の政策的変更が該当するかどうかを検討している。効率性因子の事例としては、病院現場へのIT導入の実態に関する先行研究を調査し、時系列での効率性の変化の解釈の一例となりうると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験的統計分析を発表することは、作業全体のイメージを掴むことに大いに役立ったが、一方でその指摘への対応に時間を要し、本来の年度計画で予定していた事例収集等についてはやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は当初予定通り、事例収集、先行研究収集、データ整理を行い、平成30年度に行った統計分析結果を合わせて、当初予定になるべく近づけるようにしたい。
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Causes of Carryover |
試験的な統計分析の発表に伴って得られた指摘への対応を優先した結果、資料収集に遅れがあったもの。平成31年度にこれらの対応を行う。
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