2021 Fiscal Year Research-status Report
効用関数アプローチによる日本の公立病院の効率性分析
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18K01548
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
藤井 敦 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (00326456)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 効率性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の公立病院の効率性分析において、効用最大化行動を考慮した場合に求められる効率性値を、通常の確率フロンティア法によるそれと比較することである。 財政支援に依存する効率性分布が非単調であるという当初の予備分析結果に対し、2018年度・2019年度の国際学会では(a)非効率性決定因子の範囲を広げること、および(b)政府関与の背景について整理すべきこと、の2点を主に指摘された。これを受け、2020年度は引き続き(1)事例収集、先行研究整理、データ収集、(2)統計分析作業を進めた。2021年度は(2)の近年の確率フロンティア分析に進展が見られることから、それをできるだけ反映した分析を行い、これらの作業のまとめ・執筆・投稿を行う計画であった。 (1)のデータについては収集分のデータベース構築・名寄せ作業を引き続き行っている。(a)については概ね終了しており、現在は(b)の候補変数の抽出を行っている。コロナ禍を経て、特に公立病院の役割が注目されるようになっており、単に費用効率のみでの評価はますます適さなくなっている。そこで得られるであろう結果の含意について検討を加えている。(2)については、非効率性分布のノンパラメトリック推定の実装を引き続き行っている。理論的な背景を整理する過程で、当該推定手法が原理的に機械学習の手法に酷似していることが判明した。そこで、効率的な実装のため、機械学習分野の文献にもあたっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
作業時間が想定外に制限されたことによる事例収集およびデータ収集の遅れ。また分析の実装のための学習に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の実装を優先し、先行研究に基づいた分析を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度に予定していた最終分析・投稿が2022年度に持ち越されたため。2022年度は当初の2021年度予定に準じて使用する計画である。
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