2020 Fiscal Year Research-status Report
The Economics of Happiness in Transition Economies
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18K01559
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋渡 雅人 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (50547172)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 移行経済 / 主観的厚生 / 社会的信頼 / 移民 / グローバリゼーション / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、移行国生活調査(Life in Transition Survey)の個人レベルデータに基づく、人々の主観的厚生に関わる計量分析に関して、研究発表、論文投稿など進めた。ただし、予定していた現地渡航については、コロナ感染拡大の影響により延期となった。 上記データを用いた移行諸国の人々の民主化や政治姿勢等の政治経済的価値観に関する分析に関しては、本年度は、新たに国際貿易やグローバリゼーションの影響という観点を取り入れた分析に取り組んだ。2000年代以降,旧ソ連・中東欧諸国においても,国際貿易関係では一帯一路を推進する中国の台頭が見られ,国境を超えた労働移民も急増したことが背景としてある。移行国生活調査の個人レベルデータ、及び、UN Comtrade Databaseの貿易データを主として用いて,経済のグロ―バル化が移行経済諸国の人々の政治的姿勢や主観的厚生に与えた影響について計量分析を実施した。結果としては、グローバリゼーションや貿易パートナーとしての中国の台頭に対する移行経済諸国の反応は,米国や西欧先進国を対象とした近年の先行研究が示すものはかなり異なる可能性が高いことが見出された。分析結果は、2020年11月に、比較経済体制学会年次大会(オンライン開催)において報告した。 主観的厚生と信頼関係の研究に関しては、ウズベキスタンにおいて補足調査を実施する予定があったが、コロナ感染拡大により、実施できなかった。来年度中の実施を検討中である。昨年度までに投稿を始めた移行国生活調査データに基づき国外移民が政治的姿勢や主観的厚生にもたらす影響を検証した論文については、分析の精緻化、改稿を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、コロナ感染拡大の影響により、予定していたウズベキスタンにおける補足調査、現地研究者との意見交流ができなかった。コロナ感染状況などを考慮しながら、本年度中の実施可能性を検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
延期となったウズベキスタンにおける補足調査、現地研究者との意見交流については、コロナ感染状況などを考慮しながら、本年度中の実施可能性を検討する。投稿中の論文については改稿を進め、本年度の公刊を目指す。
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Causes of Carryover |
2020度に予定されていた学会がオンライン開催となったことや、予定していた現地調査が延期となったことから主に旅費において次年度使用が生じている。次年度、コロナ感染の影響を考慮しつつ、可能であれば、延期していた現地渡航は実施したい。
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Research Products
(4 results)