2020 Fiscal Year Annual Research Report
Incentive Mechanism and Structural Estimation of Demand for Car Ownership and Utilization in Non-urbanized Areas
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18K01562
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小西 祥文 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (40597655)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ライドシェア / 非都市部交通 / 構造推定 / 実証ミクロ経済学 / シェアリング・エコノミー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には,四つの主要な研究成果を得た. (1)(a)所得(b)交通インフラ(c)車種ポートフォリオ選好の三つの地理的分布を明示的に考慮した離散連続選択モデルを推定することで,自動車保有・利用需要の地理空間上の構造解析を行った.Terza et al.(JHE, 2008)の2SRI法を使うことで離散選択における内生性の問題に対処する一方,Dahl(ECTA, 2002)のCF法を利用することで連続選択における自己選択の問題に対処している.2020年度には,より原始的なRCロジットとの比較分析を行い,同モデルが自動車保有・利用需要の地理空間上の分布を極めて精密に説明することを示した.また,このような現実説明力の高いモデルを使って幾つかの仮想的な政策の効果を推計した結果,炭素税が,エコカー減税・補助金施策やカーシェアリング施策よりもはるかに効果的である一方,交通インフラ密度の小さい地域へより大きな影響を及ぼしてしまうことを明らかにした.現在,結果をWPとして纏め,学術誌へ投稿準備中である. (2)日本における自動車燃費規制の制度上の特徴が燃費技術へ及ぼした技術歪曲効果を厳密な因果推論手法(三階差分法)を使い推定した.同論文は,Journal of Environmental Economics and Management(環境経済分野におけるトップ・ジャーナル)に受理されている. (3)2020年6月に国際ワークショップをオンライン開催し,シンガポール・マネジメント大学のMatthew Shapiro氏,タフツ大学の田中伸介氏,青山学院大学の北野大樹氏にご報告頂いた. (4)茨城県筑西市における実証実験の代案として,米国の家計調査データを利用したライドシェアの環境効果に関する実証研究を行うためのデータ整備を進めた.同データは,本年度に採択された研究課題で利用する予定である.
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Research Products
(8 results)