2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on assessing the impact of NTMs on international trade
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18K01591
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鍋嶋 郁 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (70720647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小橋 文子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 准教授 (30528922)
道田 悦代 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター環境・資源研究グループ, 研究グループ長代理 (10450529)
雷 蕾 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (20749402)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非関税措置 / 規制 / 国際貿易 / non-tariff measures |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、技術的な基準および認証制度をはじめとする規制が国際貿易に与える影響に対する関心が高まっている。国際貿易に影響を与えうる各国内における規制(非関税措置(non-tariff measures; NTMs)に対する政策的関心が高まっており、WTOにおける取り組みのみならず、二国あるいは多数国間の経済連携交渉の場においても重要な協議事項となっている。しかし、学術的には、データ不足のために、NTMsが国際貿易に与える影響についての体系的な検討が十分に行われてこなかった。本研究では、UNCTADが新しく構築したNTMデータベースを活用することで、NTMsの存在が貿易にどのような影響を与えるのかについて、体系的に検討する。UNCTADのNTMデータベースはまだ新しく、NTMsが国際貿易に与える影響を体系的にとらえた研究はまだなく、新規性が高い。また、政策実務の場においてNTMsに対する関心が高まっている中、このような研究が実際の政策立案に対して有益な示唆を提供することが求められている。UNCTADが収集したNTMデータがアップデートされたのを受け、データの整理と指標を2019年度に作成した。2020年度はこの指標を使用し、規制の差異が貿易に与える影響について様々な角度から実証分析を行った。これは学術的にも新規性があるだけなく、昨今の国際貿易に関する関心の高さが示すように政策的にも非常に重要な課題である。また、農業・食品産業においては、各国の食品安全規制やSPS措置が貿易に対して大きな影響を与えていると考えられる。これを踏まえて農業・食品産業におけるNTMsやプライベートスタンダードが発展途上国の労働者に対してどのような影響を与えるのかを分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UNCTADの収集したデータベースのアップデートを基に指標を作成し、体系的に規制が貿易に及ぼす影響を様々な角度から分析し、学術論文とすることができた。また食品・農産物に関しては個別ケースでプライベートスタンダードが製品のみならず途上国における住民に対してどのような社会的影響を与えたのかを検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度にはデータの整理・収集から実証分析まで行うことができ、学術論文として纏めることができた。本来になら2020年度後半に研究成果を幅広く報告する場を設けたかったが、コロナ禍であったために断念した。2021年度には実証分析をさらに進めながら、研究成果の発表の場を設ける予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度に成果発表会を計画していたがコロナ禍において発表会の開催を断念した。同様に研究の一部も遅れが生じた。2021年度には成果発表会を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)