2018 Fiscal Year Research-status Report
A theoretical analysis of trade liberalization policy under endogenous labor supply and costs of time consuming consumption
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18K01595
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大川 昌幸 立命館大学, 経済学部, 教授 (50291761)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 消費の時間費用 / 貿易の自由化 / 内生的労働供給 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、研究課題の下で研究計画に従って、いくつかの課題の研究をおこなった。研究業績の一部は、著書では、Binh Tran-Nam, Makoto Tawada & Masayuki Okawa eds. “Recent Developments in Normative Trade Theory and Welfare,” Springer, 2018 June. また、論文では“A model for liberalizing nursing and trade,” by Masao Oda and Masayuki Okawa, Japan and the World Economy 46, June 2018, 50-55、等である。 研究課題には、いくつかの研究テーマが含まれているが、現在は、医療サービス・健康産業における医療分野の高度専門家〈医者、看護士など〉の海外からの移民の受け入れの、所得分配や経済厚生に及ぼす影響を分析している。その研究成果の一部は、“A model for liberalizing nursing and trade,” by Masao Oda and Masayuki Okawa, Japan and the World Economy 46, June 2018, 50-55. で公表された。しかし、上記文献では、医療サービスが、労働供給に与える影響が充分に考慮されていない面があり、その点をさらに修正、拡張するための分析を行っている。 消費に時間のかかる財への最適物品税の理論的研究が、Kleven (2004, J Pub. E), Boadway and Gahvari (2006, J Pub. E), Gahvari (2006, J Pub. E)などによりなされているが、いずれも価格と予算が所与もので最適消費を行う、標準的な消費者行動のモデルに基づいており、財の生産サイドはまったく無視されている。このモデルに財の生産サイド(貿易財と非貿易財)を導入した一般均衡分析に拡張し、最適消費税とさらに貿易産業における輸入関税とその自由化の効果を含めて分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の研究は、貿易自由化と国内物品税の改革の経済効果を中心としたものであるが、上記、研究実績の中で記述したように、これらの研究と並行して、消費に時間費用のかかる財と可変的労働供給のモデルを、国際貿易の小国の開放経済の一般均衡モデルに拡張し、最適関税と最適物品税の分析を進めている。また、医療サービス産業への高度技能労働者の移民の流入が国内の厚生に与える効果及び送出し国の厚生に与える影響についても分析を進めており、一定の結論を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題であるいくつかの研究テーマを研究計画に基づいて、研究を進めてゆく。すでに説明したような、現在分析中のテーマについて、一定の結論が得られた段階で論文にまとめて、国内外のseminar, workshop, conference等で報告し、コメント等に基づいて修正して論文の質を高めてゆく。そして、随時、査読付き専門雑誌に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、予定していた国内学会及び国際コンファレンスへの出張が、予定外の理由により取りやめなければならなくなったために、その出張旅費が次年度使用額として生じた。次年度には、国内外のワークショップ及び学会の出張旅費として使用する予定である。
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