2023 Fiscal Year Research-status Report
The causal effects of immigration induced by natural disasters on the economic growth of the host country
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18K01606
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大森 義明 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (10272890)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 移民 / 経済成長 / 自然災害 / 戦争 / テロリズム / 自然実験 / 操作変数 / 因果効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、戦争のデータに対戦国名を含める必要性を認識し、作業を開始した。戦争が起きている国から他国に移民する可能性は高いが、対戦国に移民する可能性は低いと考えられ、他国における自然実験、戦争、テロリズムを移民の操作変数として用いる際には自国が対戦国でないことを考慮する必要があるからである。この作業は複雑で時間を要することも判明した。①複数の対戦国が存在する戦争、②1年の間に複数の戦争が起きる国・年があるからである。 今年度は、この作業を継続したが、この作業が複雑で多くの時間を要することを改めて認識する結果となった。上記①、②の問題に加え、③3か国以上の国々が参戦する戦争において参戦国を自国の味方と敵に区分することが必ずしも容易ではないことが判明したからである。特に戦争が長期化するに従い、自国の味方側から敵側に動く国々、自国の敵から味方に移る国々が存在する。また、他の国々に動きがなくても、自国が味方側から敵側に動くこともある。 戦争の歴史的事実を複数の古い文献を参照し、これらの動きを確認した。戦争に関する原データの記録ミスではないかと思わせるような動きがあったためである。 ③の問題を受け、戦争のスペルの各時点毎に参戦国を自国の敵と味方に区分することにした。当初は、戦争のスペル毎に参戦国を自国の敵と味方に区分する計画であった。この変更は、3つの主要な操作変数である「他国の自然災害×当該国が自国の敵国でない事実」、「他国の戦争×当該国が自国の敵国でない事実」、「他国のテロリズム×当該国が自国の敵国でない事実」の変動を増すし、自然災害の経済成長に対する因果効果の推定量の標準誤差を小さくする効果があると期待できる。 しかし、計画変更に伴い、作業には格段に多くの時間を要している。データ構築に要する計算アルゴリズムはより複雑となり、データ構築に要する計算資源も増したからである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
首都圏における新型コロナウイルスの感染拡大(第6~8波)、及び、ブースター接種後の一時的な体調不良により、研究室内のワークステーション上で行うデータ構築作業に大幅な遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目標を達成するには、これまでに構築した各変数のデータの融合、記述統計分析、実証モデルの推定、仮説検定、論文の執筆を行う必要がある。 データ構築の残された課題に取り組む。①各国が自国の対戦国ではないことを示す時間と共に変化する変数を構築する。他国における自然災害、戦争、テロリズムの3つの変数をこの変数と交差させることで、自国への移民の3つの主要な操作変数を構築する。また、②国境のデータと国家間の距離のデータの違いを詳細に検討する必要がある。含まれる国・地域が異なるだけでなく、国・地域に割り振られているコードが異なるケースがある。その上で、国境データに含まれる国・地域を対象とした分析をするか、国家間の距離データに含まれる国を対象とした分析をするか検討する。 戦争に関する原データに含まれていない, 近年の戦争に関するデータを収集し、それらを分析データに含めることを検討したが、残された研究期間の制約を考慮し、今回は断念することにした。
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Causes of Carryover |
上で説明したデータ構築上の難題が発覚したため、これまでに生じていた研究の大幅な遅れを取り戻すには至らなかった。助成金は研究成果をまとめた論文の英文校正、ジャーナル投稿に使用する予定である。
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