2018 Fiscal Year Research-status Report
医師の地域偏在と公的医療保険制度に関わる理論・実証研究
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18K01632
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
相浦 洋志 南山大学, 経済学部, 准教授 (50511177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久 玲音 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 医療経済研究機構, 主任研究員 (80645086)
内藤 徹 同志社大学, 商学部, 教授 (90309732)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医療・介護の地域偏在 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、医師の地域偏在を是正するための手段として公的保険制度に着目し、「医師の地域偏在を解消するためには公的保険制度がどのようにあるべきか」を核心となる学術的な問いとしている。初年度である平成30年度は、共同研究者とのミーティングを行い、お互いの知識の共有を行ったほか、本研究課題に関連する理論分析を国際学会で報告を2件行い、海外の研究者と議論することにより、今後の分析の課題について整理を行った。なお、2件の報告のうちの一つは、医療の広域化が地域間の医療格差および医療保険の累進性に与える影響を分析したものであり、もう一つは2地域の空間分析により医療と介護の最適な協同のあり方について分析を行ったものである。また現在進行中のものとして、以下の2つが挙げられる。一つは子ども医療助成金の拡大が小児科クリニックの開設にどのような影響を与えるかに関して理論・実証の両面から分析を行うものである。もう一つは介護保険における地域加算の格差に着目し、この格差と介護施設との立地に関して、データの収集を行っていることである。いずれの分析・調査についてもまだ課題を抱えているが、医療・介護の地域偏在を解消する示唆となり得るものである。これらの成果は、医療だけではなく介護に関することについても分析を行っているが、介護資源についても医療と同様に地域偏在があるといわれ、介護も公的保険に大きく頼っていることから本研究に関連する研究実績としている。また、本件研究で得られた知見を活かし、税制度が消費者の地域選択に与える影響を分析し、その成果を国際学術雑誌にて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療・介護の地域偏在の理論経済モデルを構築でき、実証研究に向けてデータを収集できているので、おおよそ計画通りに進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
理論分析については30年度で見つかった課題を克服し、国際学術雑誌にてその成果を公表することを目指す。実証研究については、今年度中に分析に取り掛かり主要な結論を得たい。
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Causes of Carryover |
物品については他の研究で行った研究資源を有効活用できたこと、旅費およびデータ収集費については実費が当初予定額よりも下回ったことにより、次年度使用額が生じた。今年度、新たに生じる発展的な研究を行うため、今年度の助成金と合わせて使用する。
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