2018 Fiscal Year Research-status Report
Organizational design and innovation for the founding team
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18K01639
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| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
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Principal Investigator |
加藤 雅俊 関西学院大学, 経済学部, 教授 (80507707)
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2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | スタートアップ企業 / 創業チーム / 創業者 / イノベーション |
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| Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、研究成果を発信すると同時に、研究上のインプットを重視した活動を行ってきた。まず、研究で用いるデータセットの構築を行った。当初予定していたアンケート調査は行わず、既存データを用いてデータセットを構築することにした。また、研究会やコンファレンスを開催して、当該研究課題に関連する最新の研究動向の把握に努めた。研究会やコンファレンスでは当該研究課題について発表、意見交換する機会をもち、研究改善を図った。特に、2018年9月に東京で開催されたAsia Council for Small Business (ACSB) 会議において、当該研究課題と密接に関係するテーマについての第一線の研究者を招聘して意見交換するなど、知識や最新動向の把握・理解に多くの時間を割いた。
より具体的には、創業チームの組織デザインとしての「家族従業員の雇用」について注目した分析を進めている。この分析では、スタートアップ企業は、開業当初は資源に乏しいことから家族従業員によってサポートしてもらうケースがあり、このような企業はそれ以外の企業と比べてイノベーション行動においてどのような違いがあるのかについて検証しようというものである。この研究は、企業家研究フォーラム春季大会（2019年3月）において報告を行い、参加者から改善に向けてフィードバックを受けた。現在、論文完成に向けて鋭意研究を進めている。
また、創業者自身のイノベーション・キャパシティについて研究を進めた。スタートアップ企業がイノベーション活動を行う上で、組織のデザインは重要な戦略である一方で、開業当初は創業者の知識や経験に頼らざるを得ないことが国内外の研究において良く議論されてきた。これらを踏まえて、創業者のイノベーション能力が企業の資源をいかに補うことができるかについて分析し、研究成果は学会報告し、その一部は国際学術ジャーナルに掲載された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として、当初予定していたスケジュール通りに順調に進んでいると考えている。ただし、当研究課題においては、当初はスタートアップ企業に対してアンケート調査を行うことを予定していた。しかし、アンケート調査の実施には、当課題への配分予算を超える規模の金額が必要であったため、実施不可能と判断した。他方で、全ての情報ではないものの、既存データにおいて代替可能な情報が得られることもあり、既存データを用いて分析のためのデータセットを構築することにした。一部入手できない情報については、分析手法上の工夫によって解決する方法を探っている。
また、当該テーマについて国内外の第一線の研究者との意見交換などを通して、最新動向を把握することができた。データセット構築後、研究を進展させ、研究会で報告したり、コンファレンスで発表するなど、一部の成果をすでに対外的に発信している。
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| Strategy for Future Research Activity |
当研究課題については、すでに重要なインプットはおおむね進展しており、今後は学会発表、ディスカッションペーパーの公開、論文投稿を順次行っていく。具体的には、すでに2019年5月にイタリア・ベルガモで開催される国際ワークショップにおいて研究発表を予定しており、他にもいくつかの国際学会へ投稿を済ませている。2019年度中に研究成果はディスカッションペーパーとして公開予定であり、年度内に国際ジャーナルへの投稿を行うことを予定している。
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| Causes of Carryover |
当初予定していたアンケート調査（開業時の組織デザインに関する情報収集が目的）について、予算が足りないことにより、代替方法として、既存データを使用することになった。入手したいと考えていた情報をすべてカバーすることはできないが、分析方法を微修正することにより、申請した研究課題に取り組み、研究目的を達成することが可能と判断した。既存データを使用することで、当初の予定より研究の進捗状況が早く、研究打ち合わせや成果発表の時期が早まったことが理由で次年度使用額を前倒して使用することとなった。しかし、2018年度中に共同研究者を招聘して行う予定であったミーティングが2019年度に跨ることになったため（2019年3月～4月）、その費用は2019年度予算で執行することになり、結果として次年度繰り越しが発生した。したがって、この繰り越しによって今後の研究計画や支出予定に大きな変更はない予定である。
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