2019 Fiscal Year Research-status Report
Organizational design and innovation for the founding team
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18K01639
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 雅俊 関西学院大学, 経済学部, 教授 (80507707)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スタートアップ / 創業者 / イノベーション / 組織能力 / 人的資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本のスタートアップ企業を対象に組織デザインとイノベーションの関係について分析を行ってきた。まず、組織の中で重要な役割を果たす創業チームの役割について分析している。スタートアップ企業においては、企業、大学、研究機関などの他組織との共同研究開発を行う上で重要な役割を果たす組織内部の「吸収能力」が十分でなく、「創業者の人的資本」が補完的な役割を果たすことがたびたび議論されてきた。本研究課題では、創業者の人的資本が吸収能力としてどのように重要なのかについて明らかにしようとしている。これまでの分析結果からは、スタートアップ企業が共同研究の効果を十分に活用し、イノベーション成果を効率的に達成する上で、創業者の人的資本が欠かせない役割を果たすという結果を示している。この成果は2019年7月の企業家研究フォーラムにおいて学会報告を行った。 また、組織の柔軟性や組織における家族従業員の役割がイノベーション創出においてどのような役割を果たすのかについて分析している。これらについても研究会において何度か成果を発表し、完成に向けて作業を続けている。その他、関連研究については国際的学術誌に発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、日本のスタートアップ企業のデータセットを構築し、創業者の人的資本、イノベーション活動、企業規模、企業成長、利益(黒字基調か否か)といった分析に必要な変数について整理した。また、リサーチクエスチョンについてやや軌道修正した部分はあるものの、おおむね当初予定していた計画通りに実証分析を行っている。これまで査読付き論文に成果の一部を発表しているが、現在追加的な分析を行っており、すでに途中経過を学会で報告した。さらに、現在、新たな分析に向けて、これまで使ってきたものとは異なるデータセットを構築する作業を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本のスタートアップ企業を対象に、その組織デザインとイノベーション活動の関係について引き続き分析していく。今後は、学会(オンラインでの開催の予定)やセミナー(同左)で研究報告を行い、ディスカッションペーパーとして公表後、査読付き国際学術誌へ投稿、掲載を目指す。これまで、おおむね順調に当課題の研究成果を出しているため、派生する研究テーマで更なる論文執筆を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた研究会がキャンセル(コロナウイルス蔓延の影響)となったため残額が生じ、次年度に繰り越した。その分は、次年度に消耗品などの購入に充てる。
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