2021 Fiscal Year Research-status Report
地方自治体の財政健全化が住民移動に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
18K01655
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小川 亮 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40707999)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 真 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (50419959)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 自治体財政健全化法 / 回帰不連続デザイン / ティブーの足による投票 / アナウンスメント効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績として、財政健全化の取り組みが人々の居住地選択(住民移動)にどのような影響を与えているのかを明らかにするために、2000年代に日本で施行された自治体財政健全化法が自然実験(近似実験)の状況であることに着目して、自治体データを用いた回帰不連続デザインにより検証した。具体的には、市町村別の社会増減率、自然増減率、さらに年代別の人口増減率をアウトカムとし、財政指標(実質公債費比率)を強制変数とし、強制変数の閾値(25%)を超えた自治体は財健全化団体に指定されることを利用し、その閾値周辺でアウトカムに不連続なジャンプがみられるかについてを検証してきた。伝統的なパラメトリック推定を昨年度から引き続いて丹念に仕上げてきたが、これに加えて本年度では特に処置群の小サンプルを考慮したLocal randomization approachを行うことにも注力した。このLocal randomization approachはまだ目新しい手法であるために、関連文献の読み込みなどその学習に対して時間がとらえることになったが、最終的にはこれらの分析により、財政健全化団体の指定が人口移動に負の影響をもたらしたこと、その効果程度が年代によって異質であることなどの結果が、頑健的かつ補完的な形で得られた。これらの推計結果を踏まえながら、英文査読付き雑誌に投稿するべく、論文に載せるべき関連図表を丹念に作成してきたが、その作業を終えるまでには至らず、執筆作業の前段階で本年度が終了した形となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの蔓延により、関連した大学業務、教育の追加対応に時間が割かれたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
英語論文の執筆を行い、英文校閲にかけて、査読雑誌に投稿する。
|
Causes of Carryover |
英文校閲や印刷代(紙やとインクジェット代)が次年度に必要となったため。
|