2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K01662
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| Research Institution | Musashi University |
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Principal Investigator |
広田 啓朗 武蔵大学, 経済学部, 教授 (10553141)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 財政ルール / 地方財政健全化法 / 財政調整 / DID / 市町村合併 / コモン・プール問題 / Synthetic Control Method / 旧再建団体 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，主に3つのテーマについて研究を進めてきた．一つ目は，地方財政健全化法の導入後の財政健全化に与えた影響を定量的に把握することである．特に，同法において監視対象となった健全化4指標と監視対象とならなかった財政指標に着目してDifference in Differencesによる分析をおこなった．分析結果より，旧制度のもとで起債制限比率が高い団体は，地方財政健全化法の導入以降，健全化4指標は改善しているものの，公営企業会計への繰出金が増加していることが明らかになった．これは，財政状況のよくない団体が，法に抵触しない範囲で会計間の調整をおこなっていることを示唆している．
二つ目は，市町村合併によって，どのような単独事業が財源共有問題（コモン・プール問題）を引き起こしているのかをPropensity Score Matching with Difference in Differencesを用いて分析をした．先行研究では，合併団体が合併直前に地方債発行を増加させることは明らかにしていたが，その結果，どの公共事業が拡大されているかは明らかにしていなかった．分析より，単独事業費の土木費のうち，道路橋りょう費と都市計画費のうち公園費が増加していることが明らかになった．
三つめは，旧財政再建法下における旧再建団体の財政運営に焦点を当てた分析をSynthetic Control Methodを用いて実施した．国の管理下で財政再建を実施した団体と，自主再建を実施した団体の財政運営の違いを定量的に明らかにすることができた．これらの研究は，論文を執筆し国際学会での研究報告を実施したあと，海外査読付き雑誌に投稿中である．また，学会等で受けたコメントをもとに論文を修正中である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
主たるテーマの研究論文の修正のみならず，新しい研究テーマを見つけ論文の執筆を開始することができた．また，執筆した論文を国際学会等で発表するのみならず，海外学術雑誌に投稿中である．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では，論文の修正および国内外における研究発表を継続して実施していく予定である．また，財政ルールの効果に関する検証を国内事例のみならず，国外の事例も調査することで横断的に比較することを試みたい．論文を執筆後は，国内外学会等での研究発表と並行して，国内外の査読付き学術雑誌に投稿することを予定している．
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| Causes of Carryover |
2020年2月下旬より新型コロナによる影響が徐々に大きくなってきたため出張等をキャンセルせざるを得ない状況であったため．次年度使用額は，2020年度に資料購入費の一部として使用する計画である．
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Research Products
(6 results)
