2021 Fiscal Year Research-status Report
社会保障制度や社会環境の変化が健康や就業に与える因果効果のミクロ計量経済分析
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18K01665
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
湯田 道生 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (30454359)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療経済学 / 社会保障論 / 応用ミクロ計量経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,研究計画で示した四つの研究課題すべてを進めた。 「医療費の自己負担率低下に伴う所得効果と代替効果の推定」については,国際的な査読付学術雑誌であるJournal of Pension Economics & Financeに,"Protective Effects of Health Insurance Against Disasters: An Insight from the Great East Japan Earthquake "としてオープンアクセス論文が公開された。 「自然・社会環境の変化と人的資本蓄積」については,文部科学省・スポーツ庁より『体力・運動能力調査』の個票データを借り受けて作業を進めている。また同じデータを使って派生的に取り組んだ「屋外活動規制と未成年者の健康推移」は,2021年度日本経済学会春季大会・2021 World Congress of the International Health Economics Associationで報告した。現在,改訂作業中である。 「就労自立給付金制度と被保護者の就業インセンティブ」については,厚生労働省より『被保護者調査』の個票データを借り受け,2021年度日本財政学会第78回研究大会で報告した。現在,改訂作業中である。 「特定健康診査導入が健康と医療利用に与える影響」については,データを入手して,現在データセットを作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ここ2年,部局内で多くの業務を行わなければならない委員会の委員に指名されたため,そちらの学内事務業務に多くの時間を取られ,学会で報告することが精一杯であった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に学会などで発表した論文の改訂作業を随時行っていき,それぞれを国際的な学術雑誌に投稿することを目標とする。経済学分野の査読期間は年単位を要する場合が多いため,補助期間内に全ての研究成果を公表することができない可能性がある。この問題については,継続的に研究可能な別プロジェクトにシフトしていくことなどの対応をとる予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き,新型コロナウイルスのパンデミックに伴って出張関係費を使用しなかったことや,部局内の中でも業務量が多いと言われている委員会に配置されたために,研究が予定よりも進捗していないことが原因である。次年度に研究成果を公表する際に資金を効率的に活用したい。
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