2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K01668
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 睦 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00253766)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | international journal / 論文作成・投稿 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研費テーマに関する文献の精読を行い、論文の作成、投稿を精力的に行った。2021年度は、2本の論文について国際的専門雑誌から掲載許可を得ることができた。 1. Public input provision, tax base mobility, and cross-ownership 2. Tax competition and tax base equalization in the presence of multiple tax instruments (1)は、移動不可能生産要素(土地)の所有権が多地域に分散している場合に、租税競争と租税輸出が公共要素(生産用インフラ等)の供給に与える影響を考慮したものである。従来の文献とは異なり、公共要素を生産性効果に応じて類型化して分析を区分している。この論文は、Public Finance Reviewから掲載許可を受けている。(2)は租税競争の歪みを是正する地域間財政移転政策について、複数税(移動可能な資本と移動不可能な労働への税)を想定して検討したものである。従来の文献のような資本税のみのケースとは根本的に異なる結論が得られる。財政外部性対策の切り札とされてきた課税ベース均等化は、水平的財政外部性対策には有効に機能するが、垂直的外部性に対しては有効性に欠ける。この論文は、International Tax and Public Financeから掲載許可を受けており、日本財政学会でも口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研費計画のでは、研究の主軸として軸学術専門雑誌への投稿・掲載を掲げている。この点については、2本の掲載許可の獲得は、「かなりの成果を収めた」と評価できると思われる。しかしながら、それなりの結果は出たものの、2021年度は2020年度に作成した論文の修正(雑誌審査委員からのコメントを受けた修正)に相当の時間を費やしたため、次の矢となるべき新しいアイディアを十分に練ることができなかった。 また、Covid19の影響もあって、本科研費で開催を計画していたセミナーが実施できていない。遠隔開催では十分な交流効果が得られないことから、対面開催が可能となるタイミングを見計らっていたが、残念ながら開催に至らなかった。その分、予算は集中的に英語論文の校正サービスのために活用した。当初は予定していない予算消化ではあるが、学術雑誌からの掲載許可を得るに当たり、大きな効果があったものと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は本科研費計画の最終年度ではあるが、2021年度までに一定の成果(外国の学術専門雑誌に論文3本の掲載)を挙げていることを踏まえて、年度内の成果を追求するよりも、長期的に腰を据えた文献精読や文献収集に当たりたい。但し、インプットのみを行うわけではなく、ワーキング・ペーパー程度の論文は作成するように努める。この点、本科研費計画は、研究代表者のライフワーク的課題であるため、研究内容の一貫性は絶対的に担保されている。セミナーについても、対面開催に拘って可能性を追求したいが、Covid19の状況に応じては、妥協的に遠隔開催を行う可能性も検討したい。
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Causes of Carryover |
研究会開催ができなかったため発生した差異である。また、大学を異動したために不要となった図書経費もある。(現所属大学の蔵書が豊富であるため。)今後は、研究会開催の可能性を追求するか、当初の予算計画にはないが、研究推進上有効とわかった論文英語校正への活用を考える。また、文献収集の幅を広げて、有効な予算活用の方向を探る。
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Research Products
(3 results)