2018 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a regime-switching macroeconomic model taking into account of financial crisis regime
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18K01687
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西山 慎一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70614006)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金融危機 / 利鞘構造 / 金融機関バランスシート / 企業バランスシート |
Outline of Annual Research Achievements |
新規の研究については、2018年8月に共同研究者であるMd. Shahidul Islam氏(ダッカ大学准教授)を招聘し、日本・中国・インドの3ヶ国における銀行の財務諸表につき整理を行い、データベース化した。このデータベースをもとに、3国における銀行の収益構造の違いを分析する予定である。2018年9月および2019年3月には、共同研究者である相澤朋子氏(日本大学)と日本大学商学部において共同研究を行い、『震災復興企業実態調査』のデータを基に、銀行の貸出金利の利鞘の決定要因についてデータベース構築および実証分析を行った。実証分析結果がまとまったので、今後は論文の取りまとめに入る予定である。 既存研究については、日本金融学会の他、ハワイ大学・神戸大学共同シンポジウム、神戸大学・南洋理工大学共同ワークショップにおいて研究報告を行った。この研究報告では、アメリカのデータを用いてリーマンショック以前と以後の金融ショックのボラティリティーの変化に着目して研究報告を行った。リーマンショック以前では、金融ショックのボラティリティーが低かったところ、リーマンショックを境として金融ショックのボラティリティーが著しく上昇しており、それが実体経済へと波及して、景気の落ち込みが長期化した可能性があることを報告した。オーディエンスからのコメントは好意的であったが、論文の改善点を指摘するコメントもあったため、適宜論文のリバイスを進め、学術誌へと投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は2018年度が初年度である。現時点で2つの共同研究プロジェクトが走っているが、データベースの整備が概ね完了した段階であり、次のステップとしての実証分析に入っている段階である。研究の進捗状況としては概ね順調に進んでおり、実証分析の結果が固まり次第、研究論文として成果をまとめ、学会等において研究報告を行っていく予定である。また既存研究については、2018年度において2つの国内学会、2つの海外での学会で報告しており、概ね順調であると言える。今後は、指摘されたコメントを踏まえて論文の改訂を進め、国際学術誌への投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
新規の研究については、2つのプロジェクトにおいてデータベースの整備がほぼ終了した状況であり、今後は実証分析を進め、実証結果が固まり次第、研究論文としてまとめた上で、ワーキングペーパーとして公表予定である。その後、このワーキングペーパーをもとに国内外での学会、研究会で報告を重ね、国際学術誌への投稿へと結び付けていく予定である。 既存研究については、2018年度に複数の研究報告を行ったが、大きな修正点はないものの、細かな修正点に関するコメントがあった。これらのコメントを考慮に入れた上で、論文改訂を進め、国際学術誌へと投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は国際学会への参加が学内の資金により一部まかなわれたため、科研費の旅費を節減することができた。この結果、次年度使用額が生じたが、2019年度は18万円分の繰越額を旅費や研究者招聘に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)