2020 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a regime-switching macroeconomic model taking into account of financial crisis regime
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18K01687
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西山 慎一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70614006)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レジームスイッチ / 動学的一般均衡 / 貸し出し利鞘 / 金融機関の利益率 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、引き続き2つの研究プロジェクトを推進した。まず一つ目の共同研究プロジェクトであるレジームスイッチ型動学的一般均衡モデルを応用した日本経済の実証研究については、モデルの開発とコードの作成を終え、実際のマクロデータを用いて実証分析を進めている。実証分析の結果は暫定的ではあるが、良好な結果が得られており、2021年度中にはワーキングペーパーとして論文をまとめ、国内外の学会にて報告する予定である。次に二つ目の共同研究プロジェクトである企業サーベイデータを用いた貸し出し利鞘の決定要因に関する実証分析であるが、こちらは実証分析を終え、論文として学内のセミナーにて研究報告を行った。また2021年度の日本経済学会春季大会にもアクセプトされたので、そこで研究報告を行う予定である。 上記の2つのプロジェクトに関連して、海外の研究者とも共同研究を推進中である。一つの研究プロジェクトについては、'Impact of Financial Sector Opacity on the Capital Structure Choice of Asian Banks'という題名で査読付き学術誌にアクセプトされ、本研究では、情報の非対称性が金融機関の資本構成にどのような影響を与えたかアジアの銀行の財務情報を元に実証分析を行ったものである。またもう一つの研究プロジェクトについては、日本・中国・インドの銀行の財務情報を元に、銀行の利益率の決定要因が3国間で差があるかについて実証分析を行っている。本研究は、'The Determinants of Net Interest Margins of Commercial Banks: Panel Evidence from China, India and Japan'と題して学内のワーキングペーパーとして公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響もあり、共同研究者との研究打ち合わせに困難があったが、Zoom等のオンライン・コミュニケーションツールを活用して、共同研究を継続した。ただし、海外の研究者とは時差もあり、理想的には夏季等に海外研究者を招聘して共同研究を集中して行う方が効率的である。国内の研究者とは時差がないものの、やはり綿密な研究打ち合わせを行う上では同じ研究室で共同研究を行う方が効率的であるため、必要に応じて出張を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度についても新型コロナウィルスの影響がどこまで広がるか予断を許さず、共同研究がどこまで推進できるかについては不確実性も残ると思われる。国内の共同研究者とは時差がないためZoom等でも対応可能と思われるが、海外の共同研究者とは時差があるため、効率的で同時的なコミュニケーションが取りづらい状況が継続するものと思われる。また海外の共同研究者を招聘することも現実的には困難であると予想される。その意味では、2021年度については国内の共同研究プロジェクトに軸足を移して、研究プロジェクトを推進する予定である。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに予算執行が進んでいるものと思われるが、コロナ禍の影響もあり、学会への出張等がキャンセルとなった結果、予算の繰り越しが発生した。2021年度もコロナ禍の影響があると思われるため、旅費から物件費に予算を組み替えるなどして対応する予定である。
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Research Products
(2 results)