2021 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a regime-switching macroeconomic model taking into account of financial crisis regime
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18K01687
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西山 慎一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70614006)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レジームスイッチ / 動学的一般均衡 / 貸し出し利鞘 / 金融機関の利益率 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に引き続き、本年度もレジームスイッチ型動学的一般均衡モデルを用いた日本経済の実証分析を推進した。具体的には、2020年度に構築したマクロ経済モデルとコードを用いて、日本経済のマクロデータの実証分析を行い、1950年代から2000年代までのインフレトレンド、潜在経済成長率、テーラー係数、総供給ショックのボラティリティーの構造変化を推定した。実証分析の結果は概ね固まっており、現在ワーキングペーパーの執筆を進めている段階である。本研究の暫定的な研究成果は2021年にWEAI国際学会において報告された。 上記の研究プロジェクトとは月研究であるが、企業アンケート調査に基づく貸出金利と企業のバランスシート条件の関係性に関する実証研究は、2021年度日本経済学会春季大会において報告された。またSocial Benefit of Inflation in the Presence of Liquidity Trap: An Analysis based on Traditional Keynesian Frameworkと題された論文が国民経済雑誌にて公刊された。本論文は動学的一般均衡モデルではないものの、伝統的なケインジアン型マクロ経済モデルに立脚した最適金融政策のモデルであり、そのフレームワークにおいて最適なインフレーションターゲット(トレンドインフレ)の値を模索するものである。最適なトレンドインフレの研究と言う意味においては、トレンドインフレが可変的である動学的一般均衡モデルと関連性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も新型コロナウィルスの影響があり出張が制限されていたため、共同研究者との打ち合わせは主にZoom等を利用して行った。ただし、Zoom等では数式を用いたコミュニケーションが困難であること、共同研究者が保持するデータ(外部サーバーには保存不可)を利用した実証分析が困難であることなどにより、やや研究の進捗が滞った面がある。また海外における学術報告もZoomを介して行ったが、参加者も少なく、積極的なフィードバックを得るには問題があった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染状況がやや落ち着いたとは言え、引き続き2022年度においても新型コロナウィルスの影響が残ると思われ、共同研究者との対面式での打ち合わせは制限されるものと思われる。現在、実証分析結果をもとにワーキングペーパーを執筆中であるが、夏ごろを目途にワーキングペーパーを完成させ、HP上で公開する予定である。また国内外の学会においても研究成果の発信に努める予定である。得られたコメントやフィードバックをもとに適宜論文を改訂し、今年度中に学術誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により海外への出張が不可能であったこと、また国内の出張も制限されていたことなどがあり、未使用額が発生した。またワークステーションの更新についても、CPUがAlder Lakeへとアップデートされることを考慮し、見送りとなった。今年度については、国内出張の制限が緩和されることやAlder Lake搭載型のワークステーションが購入可能となることから、支出計画に支障はないものと思われる。
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Research Products
(2 results)