2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of qualitative changes in securities markets caused by accelerating transactions and AI
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18K01692
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中島 義裕 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40336798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 直樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90295717)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工市場 / HFT / U-Mart |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではAI取引の増加と証券市場の複雑性の関係に焦点を当てた研究を行った。2021年度は2つの方向から研究を進めた。1つ目は、市場の複雑性に関する研究である。アルゴリズム取引の組成の違いが、市場の複雑性に与える影響を調べた上で、実際の市場の複雑性について実証分析を行った。2021年度は、ウルフラムのFRICAによるクラス1からクラス4までの複雑さの分類と株価時系列のLength Distributionの関係を元に、株式市場のザラバ/板寄せという取引のマッチングシステムが潜在的にもたらす複雑さについて調べた。Horizontal Visibility Graphs(HVG)は、時系列からネットワーク構造を導く方法である。これは、時系列を1次元の勾配とみなして、各点から視認可能な点を結ぶことでできあがるネットワークである。伝統的なテクニカル分析において、三角保合い、新高値、新安値という用語があり、それは経験的に安定期と暴騰暴落期のフェーズを示すものと考えられる。HVGにより株価時系列の複雑性をネットワーク分析の手法を使って分析できるようになった。2つ目はAIエージェントの開発である。従来から生物や人間の移動においてレビウォークと呼ばれる裾野の厚い分布を示す行動パターンがある事が知られており、効率的採餌を実現していると言われている。株式市場における投資家行動に応用するため、レビウォークを再現する行動モデルとして、拡張型ベイズ推定を用いた意思決定エージェントモデルを提案した。
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