2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a robust asset management approach less dependent on the business cycle
Project/Area Number |
18K01694
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吉川 大介 関西大学, 政策創造学部, 教授 (90735424)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 最適停止問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度に引き続き,あいまいさ回避を前提とした最適投資問題,あいまいさ回避によるディスポジション効果の説明,そして機械学習のファイナンスへの応用を主なテーマとして研究を進めた. 最適停止問題については,主に前年度までの成果を学会で報告し,得られたフィードバックの反映に努めた.現在,成果をまとめた論文をジャーナルに投稿中である. 2つ目のディスポジション効果についてだが,これは前年度の成果で発見した問題点の解決に注力した.ディスポジション効果とは,投資において人が示す,利益の確定には急ぐが,損切には躊躇する性向を指す.こうした性向は経験的にはしばしば観測されるものだが,モデル化は難しい.前年度はあいまいさ回避のフレームワークを用いて説明するモデルを構築したが,同時に計算負荷の高さから,長期間の投資戦略を最適化する問題を解くことは難しいことも明らかになっていた.そこで,本年度は,Izhakian (2020)の研究などを参考にしつつ,確率分布の近似公式の導出に注力した.この研究はおおよその目処が立ったので,近く論文にまとめて公表する予定である. また,ディスポジション効果をはじめとした心理的な傾向によりうまく投資戦略を実行できない人間よりも,十分に学習済みの機械のほうが投資をうまく実行できる可能性がある.こうしたことから近年,機械学習のファイナンスへの応用への関心が高まっている.そこで本年度は特にマーケット中立的な投資戦略への機械学習の応用手法を考案した.また,この研究を進めるにあたり機械学習のファイナンスへの応用に関する知見を整理し,書籍として出版した.
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Research Products
(4 results)