2019 Fiscal Year Research-status Report
What Promotes Financial and Capital Market Development in Emerging Economies?
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18K01701
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| Research Institution | Seikei University |
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Principal Investigator |
永野 護 成蹊大学, 経済学部, 教授 (20508858)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 新興国企業 / 直接金融手段 / 株式発行 / 社債発行 / スクーク / 情報コスト / 金融発展 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2018年度までに整備したデータベースを用い、実証分析を繰り返すとともに、１件の研究成果の公表、４件の学会発表を国内外において行った。実証研究では、2018年度までにドイツ連邦銀行等のデータを用いて作成した新興国企業データに加え、ゲーテ大学SAFEライプニッツ研究所のデータベースを用い、先進国７カ国企業、新興国12カ国企業の2000～2018年度のデータを収集し、比較分析を行った。具体的には、まず、先進国7カ国全上場企業、新興国12カ国全上場企業の情報コストの程度を表すインデックスを、Bharath et.al.(2009)が開発した手法を用いて算出した。そしてこのデータを用い、企業の情報コストの代理変数と、株式発行、社債発行選択との関係に、先進国企業、新興国企業の間で違いが存在するか否かを検証した。分析の結果、新興国において、この情報コストと企業の資金調達手段選択手段の関係は、より多くの企業で統計的に有意な関係を持つ結果が得られた。
研究成果報告では、上記の成果の一部を、過去に国際学術誌に公刊した論文とともに、2019年3月に『新興国市場のファイナンス分析』として中央経済社より学術出版を行った。また、成果報告では、2019年4月17日にSAFEライプニッツ研究所セミナー、2019年5月31日にピサ大学のイタリア経済学会において、上記の成果の一部を報告した。さらに2019年12月3日は早稲田大学政治経済学術院セミナー、12月20日に横浜市立大学総合政策科学部セミナーにおいて、学術報告を行った。
2020年3月9日にはマレーシア・マラヤ大学において、上記の情報コストの変数を用いたマレーシア企業とイスラム債発行の関係についてのセミナー報告、そして銀行店舗の地理的距離と経営パフォーマンスの関係に関する研究における、主として地理情報システム（GIS)の実証ファイナンス分析面での方法論についてのセミナー報告を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去にトムソンロイター社データを用いて作成したデータベースに加え、ドイツ連邦銀行、ゲーテ大学SAFEライプニッツ研究所からデータベース利用の便宜提供を受けたことで、データベース更新、実証分析が大幅に進捗した。また、学術成果の対外発表面では、2018年度、2019年度の研究成果と、過去の国際学術誌の掲載論文をまとめた学術書籍を出版し、国際学会、セミナー報告を6件実施することで、有益なコメントを得るとともに、成果の発信を行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、前年度までに実施した実証分析結果をまとめ、また6つの国際学会、セミナー報告で参加者から得られた知見を踏まえ、ワーキングペーパーを作成し、年度末までに国際学術誌に投稿する。また、これらの企業財務データを用いた分析に加え、マレーシアで収集した家計の金融行動に関する個票データを用い、企業の資金調達活動と家計ファイナンスの関係についての先行研究をサーベイすることで、今後の実証研究の可能性を探索する。
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| Causes of Carryover |
2018年度ドイツ連邦銀行、2019年度ゲーテ大学SAFEライプニッツ研究所よりデータベースの提供を受けたため、実証分析データに係る直接経費の拠出が抑えられた。一方で、2020年度は統計ソフトウェアの更新、新興国の家計ファイナンスの個票データの取得に係る費用を要するため、今年度の予算をこれらに用いることを計画している。
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Research Products
(9 results)
