2020 Fiscal Year Annual Research Report
What Promotes Financial and Capital Market Development in Emerging Economies?
Project/Area Number |
18K01701
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
永野 護 成蹊大学, 経済学部, 教授 (20508858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 雄貴 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (30805495)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 新興国企業 / 直接金融手段 / 社債発行 / 株式発行 / イスラム債 / 情報コスト / 金融発展 / 資金調達序列 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題18K01701「新興国企業の直接金融選択と金融発展の研究」では、前年度に続き、2020年度も、新興国の企業部門のファイナンス活動に関する微視的研究を行った。具体的には、新興国の経済発展の過程で、どのような特徴を持つ新興国企業が、ファイナンス活動において、銀行借入依存を脱し、社債発行や株式発行などの直接金融利用を行うことが可能であるのかを、イスラム社会で用いられるイスラム金融利用企業を標本として、分析を行った。イスラム債市場の発展が進むクアラルンプール市場上場企業の2000~2017年度の財務データを用い、イスラム債発行企業、銀行借入依存企業、普通社債発行企業の3つのグループ間で、資金調達手段選択についての比較研究を行っている。ファイナンス分野における先行研究ではこれまで、社債・株式発行の決定要因の分析は、主として先進国企業を標本とする研究成果が報告されてきた。新興国では、企業の直接金融の利用が、前年度までで明らかにした通り、先進国に比べて発展が遅れている。他方、これらの新興国の中でも、イスラム諸国は、イスラム債市場の発展により、直接金融市場の発展が進んでいる。本研究では、マレーシア企業のイスラム債の発行の決定要因に関する実証研究を実施し、マレーシア企業のイスラム債発行要因が、現代ファイナンス理論で指摘される調達序列理論と整合的であることを理論的・実証的に示している。これらの研究は、マレーシア・マラヤ大学に客員教授として滞在した間、2度の研究報告を行い、現地の企業家、イスラム金融研究者からコメントを収集した。そしてその研究成果は、査読付き学術誌の採択内定の通知を得ている。
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Research Products
(4 results)