2023 Fiscal Year Annual Research Report
A search and matching approach to international circulation of the third currency
Project/Area Number |
18K01708
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
田中 茉莉子 武蔵野大学, 経済学部, 准教授 (20709026)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サーチ・マッチング理論 / 国際通貨の選択 / 第三世代モデル / 経済地理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アジアでの国際貿易で米ドル決済が支配的である一方、ヨーロッパでユーロ決済が支配的であるという現象に着目し、国際貿易の決済通貨としての「第三通貨」の選択に地域間で差異が見られる理由を明らかにすることであった。そのために、「サーチ・マッチング理論」を国際金融の分野に応用して第三通貨を組み込むことで、ミクロの経済主体の最適化行動に基づいた理論モデルを構築した。 具体的には、Lagos and Wright(2005)によって開発された、第三世代と呼ばれる新しい「サーチ・マッチング理論」を採用し、福田慎一教授(東京大学)との共著により、この新しいタイプの「サーチ・マッチング理論」を用いた国際通貨の選択に関するモデルの構築を行った。特に、「経済地理」をモデルに導入することで、時差の存在が国際通貨の選択に大きな影響を与え、経済地理の優位性によって米ドルが支配的な国際通貨となりうること、そして米ドルが国際通貨として流通している場合、定常均衡においては、米ドルの購買力が高くなり、米国経済主体の期待効用が高くなることを明らかにした。研究成果はDPとしてまとめて公表するとともに、国内外の学会・研究会において報告を行った。 この研究の意義は、「経済地理」を「サーチ・マッチング理論」に組み込むことにより、ミクロ経済主体による国際通貨の選択の結果、米ドルが国際取引において支配的な役割を果たすようになる均衡選択メカニズムを明らかにしたことにある。アジアやヨーロッパでの国際通貨の選択に関する分析にも応用できる重要な成果であると考えられる。
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