2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K01710
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Research Institution | Ministry of Finance, Policy Research Institute |
Principal Investigator |
吉村 淳子 (小枝淳子) 財務省財務総合政策研究所(総務研究部), 総務研究部, 総括主任研究官 (30549275)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国債市場 / 国債管理政策 / ソブリン債務 / マクロファイナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、マクロ環境やゼロ金利制約等を組み込んだマクロ実証・金利モデルを構築し推計してきた。主な研究課題(非伝統的金融緩和とその出口政策のマクロ経済効果)については、既に前年度までに当初の計画以上の成果物を出すことができたので、令和1年度は、残りの研究課題について研究を進めた。特に国債市場における国債管理政策に関する研究を進めた。令和1年度の主な実績は、①長年取り組んでいるマクロファイナンスモデルを国債管理政策の枠組みで分析したこと(「マクロ環境と国債管理リスク~コロナショックとリーマンショック時の比較」、単著、2020年夏公表予定)、②長引く低金利環境について理解を深めるため、標準的なイールドカーブモデルにおける仮定を緩めて分析したこと(The Nelson-Siegel Decay Factor in a Low Interest Rate Environment、https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3538961、共著)である。①では、コロナショックとリーマンショック時におけるタームプレミアム等(国債管理政策の長期コスト)の反応もみながら、補正予算に伴う国債の追加発行の年限構成の妥当性について考察した。②では、ネルソン=シーゲルモデルのdecay factorの減少がイールドカーブを押し下げるメカニズムを明らかにした。①や②の他に、当初の研究計画には含まれていなかったマクロファイナンスモデルの拡張を進めることができた。また、研究報告も学会や様々なセミナー・ワークショップで行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主な研究課題については、既に前年度までに当初の計画以上の成果物を出すことができている。これに加えて令和一年度では新しく学術論文(ワーキングペーパー)を数本完成させている。
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Strategy for Future Research Activity |
ワーキングペーパーの公刊を目指し、様々な場で報告する。また、執筆中の論文の公表も行う。
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Causes of Carryover |
海外出張を取りやめた(代わりに共著者が学会で報告)ため。
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