2018 Fiscal Year Research-status Report
企業業種別の累積インパルス応答による金融資産価値変動の信用リスク測定の総合的研究
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18K01713
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
中川 覃夫 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (60076544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 聡志 愛知工業大学, 経営学部, 准教授 (40469060)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リスク測定 / 信頼性 / 保全方策 / 取替問題 / 累積損傷過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの経営や保全,データベースなどに関する確率モデルを構築し,最適方策を得ることができた.また,国際会議に参加し,研究成果を発表した. 具体的には,7月27日に開催された電子情報通信学会の信頼性研究会において「故障を伴うビッグデータ保存サーバの最適データ配置」という題で発表を行った.8月7日から9日にかけて中国青島において開催された国際会議APARM (8th Asia-Pacific International Symposium on Advanced Reliability and Maintenance Modeling)に参加し,"Which is Better to Replace at Number of Works or Failure", "Optimization of Data Relcoation Process with Access Failures"という題で発表を行った.9月5日から7日にかけて開催された日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季全国大会にて「取替実施のための通知とオーバタイムを考慮した取替方策」という題で発表を行った.さらに,10月21日から25日にかけて中国北京において開催された防衛に関する国際会議ICDT(1st International Conference on Defence Techology)に参加した.そこで,"Inspection Models with Minimal Repair"という題で発表を行った.12月15日に開催された電子情報通信学会の信頼性研究会において「仕事の完了回数と故障回数で取替を実施する方策の比較」という題で発表を行った.また,3月13日から15日にかけて開催された日本オペレーションズ・リサーチ学会春季全国大会にて「仕事の完了回数と故障回数との取替方策替の比較」という題で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多くの経営や金融などにおける問題を最適に運営するためのモデルを,確率過程論におけるマルコフ再生過程の理論を応用することで提案した.今後も,多くの確率モデルを提案し,実際の経営や金融などに応用を検討する. とくに,故障が発生したときに,取替を実施せず小修理を行うことで,故障率が変化しないユニットに対し,定期的に点検を実施し,故障を検出するモデルを提案し,期待費用を導出した.定期点検の時間間隔を長くすると故障の可能性が増大し,短くすると点検費用が増大するため,期待費用を最小にする最適な点検方策について議論を行った.さらに,具体的に数値例を挙げて,種々議論した. ビッグデータを保存するデータベースサーバにおいて,故障は重大な問題となる.このような問題について,最適なデータ配置について,モデルを構築し,期待費用を導出した.また,期待費用を最小にする最適な点検方策について解析的に議論を行った. また,故障が発生したとき小修理を実施し,ランダムな期間をもつ仕事が完了した時点で保全を実施するユニットに対し,予め決められた回数の仕事の完了と故障で取替を実施する保全方策について,確率モデルを構築し,最適方策を得ることができた.このモデルにおいても,期待費用を導出した.また,期待費用を最小にする最適な点検方策について解析的に議論を行った.さらに,具体的に数値例を挙げて,種々議論した. また,故障が発生したときユニットは直ちに取替を実施するユニット故障と,故障が発生したとき小修理を実施する小故障の二つの故障モードをもつユニットに対する確率モデルを提案した.一定の計画期間が経過した,または与えられた回数の小修理が発生したという事象のうち,最初に発生した事象で取替を実施する最早取替方策と,最も遅く発生した事象で取替を実施する最遅取替方策を考え,期待費用を最小にする保全方策について議論した.
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Strategy for Future Research Activity |
5月25日開催される電子情報通信学会の信頼性研究会において,2つの故障モードをもつユニットに対する保全方策の研究成果を「2つの故障モードに対する最早・最遅取替方策」という題で発表する.中国の研究者である銭教授(南京工業大学)と趙教授(南京航空航天大学)を招聘し,研究会を開催する. 6月3日から7日にかけて香港で開催される国際会議 11th International Conference on Mathematical Methods in Reliability (MMR)に参加する.そこで,2つの故障モードをもつユニットの保全方策について"Two Replacement Policies For Two Failure Modes"という題で発表する. 8月1日から3日かけてラスベガスで開催される国際会議 24th ISSAT International Conference Reliability and Quality in Design (ISSAT)に参加する.そこで, "Independent Damage Models with Failure Level Declined by Heavy Damage"という題で,独立して発生する衝撃によって累積されない損傷が発生するユニットにおいて,衝撃の回数によって故障のしきい値が低下するモデルについて発表する.このようなモデルにおいて,期待費用を導出し,最適な保全方策について解析している.発表当日までに,数値例を計算し,種々議論する予定である. 今後の方針として,これらのモデルをより現実に近いものに拡張し解析を行う予定である.さらに,これら以外の経営・金融問題に対して応用できるような新しいモデルの提案も行う.2020年には中国の南通にて,日本・中国・韓国などの信頼性研究者とともに国際会議を開催する予定である.
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Causes of Carryover |
国内外の研究会発表会に参加した.その結果,直接費は支払い請求額にほぼ等しい額となったが堅調に経費を利用したため少し余裕がでた.次年度もほぼ同額を利用させて頂く予定である. 来年度は,5月末に中国から2人の研究者,銭教授(南京工業大学)と趙教授(南京航空航天大学)を招聘し講演会を行う予定である.5月に愛知工業大学にて開催されるオペレーションズ・リサーチ学会信頼性研究会,電子情報通信学会信頼性研究会,名古屋計算機信頼性研究会に参加していただく.とくに名古屋計算機信頼性研究会は,本研究者達が直接主催する研究発表会である. また,5月29日から31日にかけて中国で開催される国際会議 SMRLO 2019,6月3日から7日かけて香港にて開催される国際会議 (MMR 2019),8月1日から3日にかけてアメリカにて開催される国際会議 ISSST 2019,8月6日から9日まで中国にて開催される国際会議 QR2MSE 2019 に参加する予定である.また,国内で開催される電子情報通信学会信頼性研究会,日本オペレーションズ・リサーチ学会春季・秋季研究発表会に参加する予定である.
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