2019 Fiscal Year Research-status Report
戦後復興期日本の経済政策と企業経営-経営史的視角による再検討-
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18K01728
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北澤 満 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10362261)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 産業史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、戦後復興期に関する統計データの収集・整理、三井鉱山、三菱鉱業など各種企業資料の収集・整理・閲覧、および同時期経済史研究のサーベイを行い、昨年度からの資料分析をもとに、成果の発表も進めている。 研究代表者は、田川市石炭・歴史博物館付属研究所編『三井田川鉱業所と地域社会』において、本論第1章「三井田川鉱業所のあゆみ」を分担執筆し、研究協力者の木庭俊彦は、同第2章「三井鉱山における田川鉱業所」を同じく分担執筆した。いずれも、三井鉱山田川鉱業所の通史を叙述したものであるが、戦後復興期に関する部分に関しては、これまで本研究課題によって収集した資料を分析・考察したものを、全面的に利用している。また、北澤の執筆部分については、「筑豊地域における三井鉱山株式会社田川鉱業所の位置」を、木庭の執筆部分は、「三井鉱山株式会社における田川鉱業所の位置」を、それぞれ明瞭に示す論考となっている。三井鉱山田川鉱業所は、筑豊地域、ひいては日本を代表する大炭鉱であったが、戦後期、とりわけ戦後復興期の経営については、これまで詳細な分析がなされてきたとはいえなかった。これについて、一次資料に基づきつつ、地域・会社の両側面から明らかに出来たことは、大きな意義を持つといえよう。 また、北澤については、藤野豊『黒い羽根の戦後史』の書評も担当した。同書は、本研究課題の関心と重なる部分も多く、その評価をするにあたって、これまでの資料分析・考察に依るものが大きかったので、ここに挙げておく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに進行しているが、3月に予定していた代表者・研究分担者の共著による口頭発表が中止となり、次年度に順延となっている。また、3月に予定していた資料調査についても、新型コロナの蔓延により順延となった。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況に示したとおり、2~3月に予定していた調査、成果発表については、順延としているので、新型コロナの状況が落ち着き次第、これらを遂行していく予定である。 それ以外については、当初計画を推進していく予定であるが、特に資料収集、および口頭発表については、今後の状況をみないと、なんともいえない部分がある。 ただ、これまでに収集した資料も相当な数に上るため、論考の執筆については、大きな支障はない。
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Causes of Carryover |
2~3月に、出張をともなう資料調査、資料複写、謝金支払などを計画していたが、いずれも新型コロナウイルスの影響により、中止せざるを得なくなった。 これらについては、次年度において実施の予定であるが、新型コロナの状況如何では、やはり実施困難となる可能性もある。この場合、別途資料の購入などに充てつつ、研究の進展を図る予定である。
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Research Products
(2 results)