2020 Fiscal Year Research-status Report
Widening and deepening of European integration and the development of the Energy Revolution
Project/Area Number |
18K01737
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
中屋 宏隆 南山大学, 外国語学部, 教授 (00510398)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 友哉 専修大学, 法学部, 准教授 (10794414)
奥 和義 関西大学, 政策創造学部, 教授 (40194485)
河崎 信樹 関西大学, 政策創造学部, 教授 (70512705)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | エネルギー革命 / 原子力発電の拡大 / 石炭から石油への転換 / 石炭危機 / 石油危機 / 英国のEC加盟 / 欧州統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1950年代後半から1970年代にかけて進展したエネルギー革命と欧州統合の深化と拡大の関連についての実証分析を目指すものである。具体的には当該時期を、①石炭危機の発生とエネルギー革命の静かなる進展(1958-65年)、②エネルギー革命の加速と石油危機の発生(1966-75年)の2期間に区分し、研究年度三年目は、これまでの二年間の研究を整理し、再検討を加える時期としていた。 以下は、2020年度における本研究グループの構成メンバーそれぞれの研究実績である。 研究代表者の中屋は、3回の研究会報告に加えて、西ドイツのエネルギー政策と電力業に関する論考を発表した。また、オンラインでの研究会が容易になったことを受けて、国際資源問題研究会を通常の倍の4回開催し、これまでの研究成果の整理・検討に努めた。研究分担者の黒田は、フランスのエネルギー政策に関する二次文献の追加的収集を行った。また国際シンポジウムでの口頭発表という形で研究成果を出した。加えてエネルギー問題に通暁しているイタリア人研究者を囲んだワークショップを主催し、アウトリーチ的活動を行うとともに、今後の研究の方向性を確認するに至った。研究分担者の奥は、2019年に収集した資料の整理・分析を続けた。それらの分析をもとに、2021年秋の論文刊行を目指し、原稿を準備中である。研究分担者の河崎は、2019年度にアメリカとドイツの公文書館において収集した資料の分析を進めた。特にアメリカとヨーロッパ統合との関係について集中的に考察を加えた。現在、研究成果のとりまとめに着手している。 以上、グループ研究としてそれぞれの担当に重点を置きながら、当初の計画通り研究を進めた。しかし、9月に開催が予定されていた世界経営史会議(World Congress of Business History, 以下WCBHと略)が一年後に延期されたため、本研究も一年間の延長を申請することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にも示したように、研究グループとしては概ね順調に研究成果をあげられている。以下、研究グループ構成メンバーの個別の進捗状況である。 研究代表者の中屋は、論考なども発表しており、収集史料の分析も順調に進んでいる。また、研究グループ全体の進捗状況も把握しながら研究を進めている。研究分担者の黒田は、フランス・イタリアにおいて昨年度に行った史料収集と現地の研究者の専門的知見をもとに、本テーマに関する論文の執筆を進めている。今後の研究進展のための準備が整いつつある。研究分担者の奥は、本テーマに関する論文の執筆を進めてきたが、執筆中の段階で、コロナ感染症の拡大により、執筆の遅れが生じた。現在、研究状況を立て直し、2021年秋に、学会報告と論文の刊行の目処がたっている。研究分担者の河崎は、アメリカとドイツにおいて収集した史料の分析と考察を進め、その成果のとりまとめに着手した。コロナ禍のため十分に論文の執筆を進めることができなかったが、今年度研究を進めるための基盤は構築できた。 以上、研究グループ全体としても、グループ構成メンバー個別の進捗状況を見ても、外的な要因から来る遅れはあるものの、研究自体は概ね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究年度四年目の研究実施計画は、これまでの三年間の研究成果を整理・再検討することである。これまで準備を進めてきた国際学会であるWCBHは、オンラインではあるが9月に開催される。また、アジア地域の国際学会である東アジア環境史学会(Association for East Asian Enivironment History)でも、原子力発電の動向について国際比較セッションを行う予定である。こうした機会を利用して、これまでの成果を整理しつつ、論文などの形で公表していきたい。 研究年度の最終年にあたる本年度は、本研究課題「エネルギー革命の進展と欧州統合の深化と拡大」の研究成果を実り多きものにするために重要な年となる。今後も研究代表者と研究分担者・協力者との恒常的な連携はもちろんのこと、国際資源問題研究会などを通じた密な研究協力をする予定である。これに加えて、引き続き、論文の公表、外国人研究者との交流、国際学会での研究報告、などの成果を積み重ねていくこととしたい。
|
Causes of Carryover |
前年度の実施状況報告書にも記載したが、世界経営史会議が2021年度に延期されたために、2020年度に残額が生じることとなった。今年度その関連経費で消化するとともに、東アジア環境史学会への参加や海外の文書館に所蔵されている未公刊史料の取り寄せに利用する予定である。
|
Remarks |
河崎信樹他著(2020)『グローバル経済の歴史』(有斐閣アルマ)
|
Research Products
(15 results)