2021 Fiscal Year Research-status Report
Studies on organizational capabilities for continuous innovation
Project/Area Number |
18K01755
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮尾 学 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80611475)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | イノベーション / オープン・イノベーション / 実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画では,令和2年度において実施した大規模質問票調査で得られたデータを,令和3年度において分析する予定だった。しかし,コロナ禍収束の見通しが立たなかったために,計画を1年繰り延べた。 令和3年度には,ブレークスルー・イノベーションに関わる行動を促進する要因についての質問票調査を実施した。調査会社を通じて6429名に回答を依頼し,412名から有効回答を得た。現在まで得られたデータの分析を進めているが,結果は,令和4年11月に米国で開催される国際学会「JPIM Research Forum」にて報告することを検討している。 また,令和2年から3年にかけて実施した「オープンイノベーション・ハブの活動調査」では,イノベーション・ハブのインクルーシブリーダーシップと直接的な支援が,オープンイノベーションプロジェクトメンバーの自己効力感を高め,さらにメンバーの探索活動と創造的な活動の頻度が高まることが明らかとなった。この研究は,イタリアのミラノ工科大学Frattini教授およびバーリ工科大学Messeni Petruzzelli助教との共同研究として論文にまとめ,Creativity and Innovation Management誌に採択された。 さらに,情報技術エンジニアを対象とした質問票調査を実施した。本助成課題では,イノベーションを継続的に成し遂げるための組織能力を明らかにすることを目的としているが,そのサブテーマとしてイノベーション実現に不可欠な実験を促進する要因を明らかにするのがこの調査の目的である。情報技術エンジニアの政治的スキルと実験の実施頻度との関係を調べたところ,政治的スキルの高いエンジニアほど,多くの実験を行うことが明らかとなった。本研究成果は,令和4年1月にオンラインで開催された国際学会「JPIM Research Forum」にて報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では令和2年度において大規模質問票調査を実施する予定だったが,コロナ禍収束の見通しが立たなかったために,令和3年度に延期して実施した。予定通り,6000人を超える規模の質問票調査を行い,400件をこえるデータを得た。令和3年度中に予備的なデータ分析を進めており,令和4年度中には,結果を取りまとめることができる目処がたっている。 また,サブテーマとして実施した「オープンイノベーションハブの行動調査」では,令和3年度中に論文が採択されるに至った。また,もう一つのサブテーマとして実施した「情報技術エンジニアを対象とした質問票調査」も国際学会での報告を行った。 以上のことから,当初予定していた大規模質問票調査は延期したものの,進捗状況区分は「概ね順調に推移している」とした
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,本課題研究の最終年度にあたるため,令和3年度に実施した大規模質問票調査のデータ分析を行い,結果を取りまとめる予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により国際学会がオンライン開催となり,海外出張費が不要になったため。次年度は,現地開催となる予定のため海外出張費として使用する予定である。
|