2019 Fiscal Year Research-status Report
看護師の職務継続に関わるレジリエンス向上のための支援プログラムの構築
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18K01758
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 広美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50404819)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護師 / レジリエンス / 看護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、病院に勤務する看護師のレジリエンス向上のための支援プログラムを構築しストレスマネジメント能力と組織のエンパワメント力に働きかけることを目的としている。2019年度は、現在臨床現場で働く看護師2名から職務遂行上の困難の内容と対処行動に関する聞き取りを実施した。新人看護師の困難さとして、自身の技術、対人関係、心理面、生活面に及んでいた。 3年目の看護師は、病棟内で任される業務の量や責任が重くなるが、身体面の負担とともに心理面の負担を感じており、経験年数に応じた困難を抱いていた。これらの困難は先行研究結果と同様の様相を呈していた。また、看護部の教育・研修担当者にも聞き取りを行い、看護実践などのスキルトレーニング以外にも精神衛生管理の観点から実践的な研修の必要性が確認できた。 これらのことから、研修において看護師が抱える困難とその対処に関する知識の提供により、看護師の思考に働きかけ、レジリエンス向上に向けた支援につながると考え、研修会による介入の意義を見出すことができた。 しかし、看護部における研修会実施は、1年間の教育計画とのマッチングの検討が必要となる。イベント的な開催ではなく人材育成と精神衛生管理の視点から年間計画の中の実施ということで看護部の協力を得て研修会を組み入れるところまで至っている。2020年度より研修会として開催予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関を移動し、新しいフィールドでの研究協力施設候補に探すのに時間を要した。また、研修会を開催するにあたり、スタッフの身体的負担も考慮し、同年の開催は難しく、次年度に組み入れることで依頼が可能となった。研修会の開催にこぎつけるまでに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に入り、新型コロナウィルス感染予防のため、病院におけるスタッフ研修会の開催が難しくなっている。対面による研修の難しさ、看護職員の疲弊などから、開催が難しく見合わせている状態であり、研修協力病院からも研修を見合わせる連絡が来ている。また、大学における研究倫理審査の回数が3分の1回に減り、研究倫理審査の承認を得るにも時間を要する。さらに、外出自粛による教育方法変更により教育業務量の増加により、研究に割く時間が少なくなっている。
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Causes of Carryover |
研究フィールドとの調整がつかず、研修会の開催が出来なかったことから研修に伴う物品費の使用が計画より少なかった。国内での学会参加ができず、調査研究も1度にとどまったことから旅費の使用が少なかった。2020年度に研修会を開催を予定しており物品費や旅費の使用が見込まれる。
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